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「蓮華〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蓮華の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
べれば、ダアワは何という女菩薩《にょぼさつ》であろう。現に仏画師はダアワのことを蓮華《れんげ》夫人と渾名《あだな》している。実際川ばたの枝垂《しだ》れ柳《やなぎ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
た歌でございましょう。これはその時|磬《うちならし》の模様に、八葉《はちよう》の蓮華《れんげ》を挟《はさ》んで二羽の孔雀《くじゃく》が鋳《い》つけてあったのを、....
尼提」より 著者:芥川竜之介
び》繊長《せんちょう》にして、爪は赤銅《しゃくどう》のごとく、掌《たなごころ》は蓮華《れんげ》に似たる」手を挙げて「恐れるな」と言う意味を示したのである。が、尼....
捨児」より 著者:芥川竜之介
は、その説教が終るのを待っていたのに過ぎないのです。 「所が和尚はその日もまた、蓮華夫人《れんげふじん》が五百人の子とめぐり遇った話を引いて、親子の恩愛が尊《た....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
われ、それから動物と人間が成り出でた。太陽神ラー(Ra)もまた原始水の中で一つの蓮華の莟の中に隠されていたが、創世の日にこの蓮の花弁が開きラーが出現して天におけ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
いか。 舞台転ず。しばし暗黒、寂寞として波濤の音聞ゆ。やがて一個、花白く葉の青き蓮華燈籠、漂々として波に漾えるがごとく顕る。続いて花の赤き同じ燈籠、中空のごとき....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、貝も小蟹も欲しゅう思わんでございましゅから、白い浪の打ちかえす磯端を、八|葉の蓮華に気取り、背後の屏風巌を、舟後光に真似て、円座して……翁様、御存じでございま....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
人がござっての、回向を頼むと言わしった故にの、……悉しい事は明日話そう。南無妙法蓮華経。……広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心 衆生既信伏 質直意柔※。……」 ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
装った一束の卯の花が露を含んで清々しい。根じめともない、三本ほどのチュリップも、蓮華の水を抽んでた風情があった。 勿体ないが、その卯の花の房々したのが、おのず....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
って這うばかりにして、辛うじて頂上へ辿ることが出来た。立処に、無熱池の水は、白き蓮華となって、水盤にふき溢れた。 ――ああ、一口、水がほしい―― 実際、信也....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
朱燈心、火尖は金色の光を放って、三つ二つひらひらと動く時、大池の波は、さながら白蓮華を競って咲いた。 ――白雪の階の下に、ただ一人、褄を折り緊め、跪いて、天女....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
を渡って、もう一度清水へ上ったのです。まだ電燈にはならない時分、廻廊の燈籠の白い蓮華の聯なったような薄あかりで、舞台に立った、二人の影法師も霞んで高い。…… ....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
の夢まくらに立たせたまう一枚のと、一面やや大なる額に、かの藍毘尼園中、池に青色の蓮華の開く処。無憂樹の花、色香|鮮麗にして、夫人が無憂の花にかざしたる右の手のそ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
た。 腰を捻って、艪柄を取って、一ツおすと、岸を放れ、 「ああ、良い月だ、妙法蓮華経如来寿量品第十六自我得仏来、所経諸劫数、無量百千万億載阿僧祇、」と誦しはじ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、真夜中ですもの、川の瀬の音は冥土へも響きそうで、そして蛇籠に当って砕ける波は、蓮華を刻むように見えたんですって。……極楽も地獄も、近常さんには、もう夢中だった....