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「蓴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蓴の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
類抄』等で判り、いずれも日本へ移殖のならぬもの故やむをえぬ事ながら、鉄漿《かね》汁《じゅんじゅう》など日本産の間に合う物は自国のを用い、追々は古方に見ぬ鯨糞な....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
を折られたでしゅ。」 とわなわなと身震いする。濡れた肩を絞って、雫の垂るのが、菜に似た血のかたまりの、いまも流るるようである。 尖った嘴は、疣立って、なお....
古狢」より 著者:泉鏡花
うから、その容子は想像に難くない。欄干に青柳の枝垂るる裡に、例の一尺の岩魚。※と菜の酢味噌。胡桃と、飴煮の鮴の鉢、鮴とせん牛蒡の椀なんど、膳を前にした光景が目....
海の使者」より 著者:泉鏡花
に、そろりと寄せて、這奴が夢中で泳ぐ処を、すいと掻きあげると、つるりと懸かった。菜が搦んだようにみえたが、上へ引く雫とともに、つるつると辷って、もう何にもなか....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
私の正面には、ルセアニア人の羸弱な眼鼻立ちがあった。彼は、頸へ青い血管を巻いて、菜のような指を組んでいた。そして、国際裸体婦人同盟員の耳へ、訳の解らない口笛を....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
りの菖蒲の伸びた蔭は、どんよりと白い。木の葉も、ぱらぱらと散り浮いて、ぬらぬらと菜の蔓が、水筋を這い廻る――空は、と見ると、覆かかるほどの樹立はないが、峰が、....
さまよえるユダヤ人の手記より」より 著者:寺田寅彦
がある。蒸されるような暑苦しい谷間の坂道の空気の中へ、ちょうど味噌汁の中に入れた菜のように、寒天の中に入れた小豆粒のように、冷たい空気の大小の粒が交じって、そ....
新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
月ある人に呼ばれて東京一流の料亭で御馳走になったときに味わった雑煮は粟餅に松露や菜や青菜や色々のものを添えた白味噌仕立てのものであったが、これは生れてから以来....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
網のような青い根、それに、毒を帯びてくると紅い小さな蕾を持つ、ちょっと見たところ菜《じゅんさい》のような植物であった。 が、玄鶯院にしたところで、何もはじめ....
糸繰沼」より 著者:長谷川時雨
湖、青森《あおもり》あたりだとききました、越中《えっちゅう》から出る薬売りが、菜《じゅんさい》が一《いっ》ぱい浮いて、まっ蒼《さお》に水銹《みずさび》の深い....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
かへで》 柚《ゆ》の花や善き酒蔵す塀《へい》の内 耳目肺腸こゝに玉巻く芭蕉庵 採をうたふ彦根の※夫かな 鬼貫《おにつら》や新酒の中の貧に処す 月天心貧しき町を....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
も matt であったらしく思われます。ただひとりで、雨に濡れながらとぼとぼと、菜や菱の浮かんだ池の傍を通る時には、廃都にしめやかな雨の降るごとく君の心にもし....
萌黄色の茎」より 著者:田中貢太郎
ながら脚下に注意しいしい歩いた。 萌黄色に見える火の光ともまた見ようによっては菜の茎のようにも見えるものが、眼の前に一めんに立っているように思われてきた。そ....