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蔵
「蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
彼はこういう条件に少しも異存を唱えなかった。のみならず妾宅に置いてあった玄鶴の秘
蔵の煎茶《せんちゃ》道具なども催促されぬうちに運んで来た。お鈴は前に疑っていただ....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
たのである。が、その「死」は、かつて彼を脅かしたそれのように、いまわしい何物をも
蔵していない。いわばこの桶の中の空《そら》のように、静かながら慕わしい、安らかな....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
夫が破傷風《はしょうふう》になった事、都座《みやこざ》の西洋手品を見に行った事、
蔵前《くらまえ》に火事があった事――一々数え立てていたのでは、とても際限がありま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
答 いかなれるかを知るものなし。
問 予は予の机の抽斗《ひきだし》に予の秘
蔵せる一束《ひとたば》の手紙を――しかれどもこは幸いにも多忙なる諸君の関するとこ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
網《よこあみ》に囲われたのは、明治二十八年の初冬《はつふゆ》だった。
妾宅は御
蔵橋《おくらばし》の川に臨んだ、極《ご》く手狭な平家《ひらや》だった。ただ庭先か....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
したまま、そっとどこかへ姿を隠した。行長は翠金《すいきん》の帳《ちょう》の外に秘
蔵の宝剣《ほうけん》をかけたなり、前後も知らずに眠っていた。もっともこれは必ずし....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
ようべや》の山崎|勘左衛門《かんざえもん》、御納戸掛《おなんどがかり》の岩田|内
蔵之助《くらのすけ》、御勝手方《おかってがた》の上木《かみき》九郎右衛門――この....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
人気《ひとけ》のない廊下《ろうか》を照らしながら、昼でも滅多にはいった事のない土
蔵《どぞう》へお栄をつれて行きました。
土
蔵の奥には昔から、火伏《ひぶ》せの稲....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
野内匠頭《あさのたくみのかみ》家来、当時|細川家《ほそかわけ》に御預り中の大石内
蔵助良雄《おおいしくらのすけよしかつ》は、その障子を後《うしろ》にして、端然と膝....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
なつかしい町である。吾妻橋《あづまばし》から川下ならば、駒形《こまかた》、並木、
蔵前《くらまえ》、代地《だいち》、柳橋《やなぎばし》、あるいは多田の薬師前、うめ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。
大通りは彼の店の前から、半町も行かない所にあった。そこの角《かど》にある店
蔵《みせぐら》が、半分は小さな郵便局に、半分は唐物屋《とうぶつや》になっている。....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
ご》を賜るように御祈祷をお捧げ下さいまし。」
女の声は落着いた中に、深い感動を
蔵している。神父はいよいよ勝ち誇《ほこ》ったようにうなじを少し反《そ》らせたまま....
「寡婦」より 著者:秋田滋
んでいたのです。その子は火のような手紙を書いて返事をよこしました。手紙はいまだに
蔵ってあります。その子はもう一人前の男のつもりでいたので、自分たちの仲は誰も知ら....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
て、万物を反映する。なお、記憶と意識とによって、世を要約し、世の歴史を自己の中に
蔵めている。各個の人間は、物の鏡、事実の鏡であって、宇宙の中で一つ一つの小天地を....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
行く友を送ってそこらまでの心算がやがて博多の街つづきである箱崎になんなんとする地
蔵松原――二里余もつづく千代の松原の一部、ここには米一丸の墓があって、人魂が飛ぶ....