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蔵本
「蔵本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔵本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
破提宇子《はでうす》の流布本《るふぼん》は、華頂山文庫《かちょうさんぶんこ》の
蔵本を、明治|戊辰《ぼしん》の頃、杞憂道人《きゆうどうじん》鵜飼徹定《うがいてつ....
「駒のいななき」より 著者:橋本進吉
成』には「ひう」とあり、伝|真淵《まぶち》自筆本には「ひと」とあり、更に九条家旧
蔵本、真淵校本、千蔭《ちかげ》校本その他の諸本には皆「いう」となっている。そのい....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
要覧稿』五〇九に、『本朝食鑑』を引いて、この事を記しあるを発見した。『食鑑』は予
蔵本あれど、田辺にないから『要覧稿』に引いたまま写そう。いわく、〈近代|阿蘭陀《....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
この羊の肝は土だと、公それを殺して肝を視《み》れば土であったと出づというが、予の
蔵本には見えぬ。虚譚のようだが全く所拠《よりどころ》なきにあらず、『旧唐書《くと....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
かと、遂に五歳のお辰をつれて夫と共に須原に戻りけるが、因果は壺皿の縁のまわり、七
蔵本性をあらわして不足なき身に長半をあらそえば段々悪徒の食物となりて痩せる身代の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
実で、雄々しく美しくて鼓舞的な輝きを含んでいるのです。その枠の下の本棚は私の御秘
蔵本棚とも云うべきもので、いろいろ愛する本を並べて居ります。 この家へ越したの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
書きますと、誰にもやれることなんですが、さて、なかなかありませんでね」 火事で
蔵本が焼けてしまって、補欠のために筆写をさせて、それを借方《かりかた》へ廻してい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
句だけでなく、あの長詩全体に亘《わた》っての意味を味わわなければならないと、自家
蔵本の渉猟にとりかかりました。 その結果が、お銀様を「長安古意」のたんのう者と....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
頁をくると、扉に「神尾蔵書」と印がある。見覚えのある印である。戦死した旧友の
蔵本に相違ない。彼の留守宅も戦火にやかれ、その未亡人は仙台の実家にもどっている筈....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
四)のシムラ会議まで、百六十五年の間、欧米人と名のつくもので、ラッサはおろか、西
蔵本部(南部の渓谷地方)への潜入に成功したものは一人もない。一七四九年の鎖国以後....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
うな宝玉や金属で飾られた寺院本、紋章や唐草や絡み模様などでけんらんと装われた貴族
蔵本などは自ら過剰な、華飾的な此等の生活と風俗を具えている。蓋し当然事である。印....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
の完本を借用し得たることは、如何ばかりか編者の労を軽減したりけん。しかも前者の我
蔵本に交りて倶に焼けしは、我最も憾とする所なり。 こんなに書いてありますが、そ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
偶然館外に貸出してあった一冊が震火を免かれて今残っている。この一冊と早大図書館所
蔵本とが今残ってる馬琴日記の全部である。この早稲田本を早大に移る以前に抄録解説し....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
十二歳であった。本書に掲載した当時の『新小説』「すみだ川」の口絵は斎藤昌三氏の所
蔵本を借りて写真版となしたものである。ここに斎藤氏の好意を謝す。 小説『すみだ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
『宗良親王』が傑出した収穫であって、近くは『新葉集』中最古の古写本である富岡家旧
蔵本が、『富岡本新葉和歌集』として出版されている。ここにもそれらによることが種々....