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蔵王
「蔵王〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔵王の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
の上にさえたいていは堕落《だらく》を示しているらしい。昔は金峯山《きんぷせん》の
蔵王《ざおう》をはじめ、熊野《くまの》の権現《ごんげん》、住吉《すみよし》の明神....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のできるような部屋に来ていた。障子の外へは川鶺鴒も来る。部屋の床の間には御嶽山|
蔵王大権現と筆太に書いた軸が掛けてあり、壁の上には注連繩なぞも飾ってある。 「勝....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
細々要記』貞治《じょうじ》五年七月の条に、伏見鶏足寺見ゆれば畿内にもあったのだ。
蔵王権現は弥勒の化身と『義楚六帖』にいえば、これを尊拝する山伏輩がもっとも平等世....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
る。 何とぞ、貴女の、御身からいたいて、人に囃され、小児たちに笑われませぬ、白
蔵王の法衣のこなし、古狐の尾の真実の化方を御教えに預りたい……」 「これ、これ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
除いた山々は、みんな、こんなとぼけた面をしてわたしを見ることはない。奥白根でも、
蔵王、鳳凰、地蔵岳、金峯山の山々でも、時により、ところによって、おのおの峻峭《し....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
った。夕陽の時分芳野に着いて見ると、まだ花は盛りで腋《わき》の坊に一泊し、翌日は
蔵王堂からそれぞれと見物し、関屋の花を眺めて橘寺に出で、夜に入り松明《たいまつ》....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
、歌の方が却て、少し鄙びた感じを出し過ぎて居るようで、よくない。ひょっとすると、
蔵王の山を一つ隔てた向う側の青根温泉で出来たものかも知れない。創作動機など言うも....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
道さ。そして今も年々歳々山伏の通る道である。この地帯は山伏の聖地である。吉野には
蔵王堂があって、この聖地の本堂だ。そして金峰山のテッペンから大台ヶ原全体にかけて....
「平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
なつかしみけり旅にしあれば 汗ばみし肌ふく風の寒ければ 峠近きを知りて歩めり
蔵王越しに吹きくる風の強ければ 雲の早きに心まどひぬ かくして五時四十分東沢....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
らの道とともに今は全く荒廃して不明であるが、尾根の各峰に地蔵岳、薬師岳、白根山、
蔵王山、熊野岳、剣ノ山、鋸山等の名称が附してあるから、あるいは尾根を通ったものか....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
夜の食を済ませて後、為すこともなければ携えたる地理の書を読みかえすに、『武甲山
蔵王権現縁起』というものを挙げたるその中に、六十一代|朱雀天皇|天慶七年秩父別当....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
この夏は、二人で山形へ行こうよ」 「二人で、行きましょう」 素子の故郷は山形の
蔵王山中の一峰、竜山の山腹にあって、壮大な眺望をほしいままにすることができる。し....
「澪標」より 著者:外村繁
妻の妹も見送っている。義弟に綱を引かれ、やがて荷馬車は動き出した。 妻の故郷は
蔵王山の一峰、竜山の山腹にある。道はいつか緩い勾配の坂道になり、荷馬車は緩くり登....
「落日の光景」より 著者:外村繁
汲み交わしながら、来年の花時に妻の故郷を訪ねようと、話を決めた。妻の故郷は山形の
蔵王山麓にある。山村の春は遅く、梅も、桜も、桃も一時に花開くという。私は何故かそ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、ふいに愛染宝塔の虚をつき、うしろの高城、詰城まで焼きはらった。 宮は、前線の
蔵王堂に陣座していたが、後方、はるかな本塁の黒けむりをみて、 「これまでか」 ....