蔵経[語句情報] »
蔵経
「蔵経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蔵経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、あの峰をなぜ拝むのかと訊くと、その高僧がつぎのように語ってくれた。
「チベット
蔵経の、正蔵秘密部《カンジュル・ギュイト》の主経に、孔雀王経と申すのがあります。....
「草枕」より 著者:夏目漱石
語で、佳人《かじん》の品評《ひんぴょう》に使用せられたるものを列挙したならば、大
蔵経《だいぞうきょう》とその量を争うかも知れぬ。この辟易《へきえき》すべき多量の....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
に、諸竜が仏を守護聴聞する由を記し、仏の大弟子を竜象に比したで知れる。『大方等日
蔵経』九に、〈今この世界の諸池水中、各《おのおの》竜王ありて停止《とどま》り守護....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
よび『法華経』普門|品《ぼん》また『大宝積経』また『大乗宝要義論』に悪眼、『雑宝
蔵経』と『僧護経』と『菩薩処胎経』に見毒、『蘇婆呼童子経』に眼毒とあるが、邪視と....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
輩出したごとく、事と事が間接に相因るを意味す。インドにも右様の譬えがある。『雑宝
蔵経』八に下女が麦と豆を与《あずか》り居ると、主人の家の牡羊が毎度盗み食い減らす....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、耆闍崛山《ぎしゃくつせん》とするは『涅槃経後分』に基づき、鶏足山とするは『付法
蔵経』に拠る(『仏祖統紀』五)。『観弥勒菩薩下生経』に弥勒は鶏頭山に生まるべしと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
血に塗れて敗亡した始末を述べたものだ。この話の根本らしいのが仏経にある。 『雑宝
蔵経』八にいわく、昔波羅奈国の梵誉王、常に夜半に塚間に咄王咄王と喚《よ》ぶを聞く....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
おられません。 その日、東妙和尚が伴僧《ばんそう》を連れて来て、地蔵様の前で地
蔵経を読んでくれました。特にその日は、和訓を読んでくれたものですから、お経はわか....
「武州喜多院」より 著者:中里介山
三代後伏見帝正安二年造と称する国宝の梵鐘がある、それからまた本堂の一間に宋版の大
蔵経がある、これは山門の方に別に経蔵があって保存していたのだが、改築か虫干かの必....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
は凡庸の好僧で情味はあったが、日蓮の大志に対して善知識たるの器ではなかった。ただ
蔵経はかなり豊富だったので、彼は猛烈な勉強心を起こして、三七日の断食して誓願を立....
「競漕」より 著者:久米正雄
た。ところが窪田が訪ねて行って見ると、驚いたことには津島は下宿の六畳の間一ぱいに
蔵経を積め込んで卒業論文を書いていた。(津島は宗教哲学を専修していたのである)窪....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
宇治|黄檗山《おうばくさん》の山口智海という二十六歳の学侶が西蔵《チベット》へ行って西蔵訳の大
蔵経(一切経または
蔵経、仏教の典籍一切を分類編纂したもの)をとって来ようと思いた....
「親鸞」より 著者:三木清
』の同じ箇所でまた『安楽集』によって、仏滅後の時代を五百年ずつに区分する『大集月
蔵経』の説を採り上げている。「大集月
蔵経にのたまはく、仏滅度ののちの第一の五百年....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
うのは経ばかりではない、経律論の三つを三蔵といい又大蔵というのである。一切経、大
蔵経というのは実は経ばかりではないが、主たるものについて名を立てたのである。その....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の経文を社会に供給したいという考えから、明治二十四年の四月から宇治の黄檗山で一切
蔵経を読み始めて、二十七年の三月まで外の事はそんなにしないで専らその事にばかり従....