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「蕃書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蕃書の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
斥けて対馬守は眼鏡をかけ直すと、静かに再び書見に向った。――読みかけていた一書は蕃書取調所に命じて訳述させた海外事情通覧である。 しかしその半頁までも読まない....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
た方面のうわさにも心をひかれた。それにもまして彼の注意をひいたのは、幕府で設けた蕃書調所なぞのすでに開かれていると聞くことだった。箕作阮甫、杉田成卿なぞの蘭学者....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
半ばに過ぐるものがあろう。日本の国運循環して、昨日まで読むことを禁じられてあった蕃書も訳され、昨日まで遠ざけられた洋学者も世に出られることとなると、かつて儒仏の....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
年七月|初の事で、抽斎は翌八月の末に歿した。 これより先幕府は安政三年二月に、蕃書調所を九段坂下元小姓組|番頭格竹本|主水正正懋の屋敷跡に創設したが、これは今....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
概《こうがい》をだも記した書物があろうはずがありません。 よし、まぐれ当りに、蕃書取調所《ばんしょとりしらべしょ》あたりの払い下げの洋書類の中にそんなのがあっ....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
で書かれてあった。満廷読むことが出来なかった。 玄宗皇帝は怒ってしまった。 「蕃書を読むことが出来なければ、返事をすることが出来ないではないか。渤海の奴らに笑....