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「蕭然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蕭然の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
に倚《よ》り、水に臨み、清風を担《にな》い、明月を戴《いただ》き、了然たる一身、蕭然《しょうぜん》たる四境、自然の清福を占領して、いと心地《ここち》よげに見えた....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、その花を見るのは今が初めであった。 天地|蒼茫として暮れんとする夏の山路に、蕭然として白く咲いているこの花をみた時に、わたしは云い知れない寂しさをおぼえた。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、皆我を忘れて、「戎衣の袖をぬらし添うらん」と結びの一句|低く咽んで、四絃一|撥蕭然として曲終るまで、息もつかなかった。讃辞謝辞口を衝いて出る。天幕の外もさゞめ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
一|日の期をあやまりたれば、武男は呉より乗ることに定め、六月の十日というに孤影|蕭然として東海道列車に乗りぬ。 宇治の黄檗山を今しも出で来たりたる三人連れ。五....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
心も騒ぎ立つとも、須臾《しゅゆ》にして風が吹罷《ふきや》めば、また四辺《あたり》蕭然《ひっそ》となって、軒の下艸《したぐさ》に集《すだ》く虫の音《ね》のみ独り高....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
、斯ういう事には時々出合いますが一番寿命の毒だ、まア旦那お寝みなさい」 と一際蕭然とする。時に隣座敷は武士体のお客、降込められて遅くなって藤屋へ着き、是から湯....
魔都」より 著者:久生十蘭
べたてたのち、この課長室へ戻って来て、何事かを待ち受けるように、ひとり机に対して蕭然と坐っているところへ、金春町の「中洲」で志摩徳、松沢、幸田、印東などという面....
死体室」より 著者:岩村透
来ると、その下にある中庭の直ぐ傍の、薄暗い廊下を通って、小使部屋の前にくると内で蕭然と、小使が一人でさも退屈そうに居るから、弟も通りがかりに、「おい淋しいだろう....