薄弱[語句情報] »
薄弱
「薄弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
とわが子の死に顔を眺め、そうして三日の後この子がどうなるかと思うて、真にわが心の
薄弱が情けなくなった。わが生活の虚偽残酷《きょぎざんこく》にあきれてしまった。近....
「弓町より」より 著者:石川啄木
ごとくにただただ詩を求め探している詩人は極力|排斥《はいせき》すべきである。意志
薄弱なる空想家、自己および自己の生活を厳粛《げんしゅく》なる理性の判断から回避し....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
単な物質粒子は非物質的な点の渦動によって成立すると考えるのである。この考えは甚だ
薄弱である。なぜかといえば、広がりをもたない一つの点がたとえどれほど急速に渦動を....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に邁進しております。 また第一次欧州大戦中に、戦争持久の原因は西洋人の精神力の
薄弱に基づくもので大和魂をもってせば即戦即決が可能であるという勇ましい議論も盛ん....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
みました。が、白状しません」 「そりゃそうだろう。星尾には松山を殺す動機がすこし
薄弱すぎる」 「そうでもありませんよ、雁金さん。星尾は理科の先生です。科学的なこ....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
べをうけたが、勿論ボロを出さずにすんだ。しかし二人の現状不在証拠法はすこし根拠が
薄弱である。というのが、圭さんの方は当時、鰥夫暮しで、二人のよく睡る子供と一緒に....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
て西郷の横顔を見ると、どこやら悪人らしいところも無いでは無かった。 しかし嫌疑
薄弱な西郷まで疑うのは、探偵上の恐しい無限地獄へ落ちこんだようにも思われた。園長....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
面にお前をひっぱり出し、そして友人の妻君というのを本当に殺させたかったのだ。精神
薄弱者たるお前に、再度おなじ夢を見たと思わせ、前回のとおりの射撃をやらせたのだ。....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
早く思いついたから、それで謎は出来上ったことにしたわけだが、その連鎖事項がすこし
薄弱性を帯びていることを否み得ない。 謎々はこうして出来上ったが、前にも云った....
「転機」より 著者:伊藤野枝
の多数の人達にはそれがない。単に「天道様が見ていらっしゃる」くらいの強いられた、
薄弱な拠り処では、彼等の受けている組織立った圧迫には、あまりに見すぼらし過ぎる。....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
だまされるということはもちろん知識の不足からもくるが、半分は信念すなわち意志の
薄弱からくるのである。我々は昔から「不明を謝す」という一つの表現を持つている。こ....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
の六兵衛ならんという説。折井君は頻りに第三の説を主張していれど、これは根拠が最も
薄弱なりと田島さんはいう。予も同感なり。 第二の説もいかがにや。欲心のために磯....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れるものはなかった。その大部分は一種の想像説に過ぎないようなものであった。こんな
薄弱な理由で、塩冶高貞ともあるべきものをみだりに謀叛人に陥すことは出来ないと彼は....
「妖怪談」より 著者:井上円了
のですから、考察力が一層完全なるものであります。ゆえに、内部の刺激強ければ感覚は
薄弱となるもので、例えば、碁打ちなぞが碁に全力を注いで、人の話なぞは耳にも入らず....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の間に解決せらるる事もあったけれども、それは戦争の絶対性を欠き、その効力は極めて
薄弱にして間もなく又戦争が開始せられ、慢性的内乱となったのである。 孫文、蒋介....