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「薄才〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薄才の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さいアルバム」より 著者:太宰治
めているとかいう話だが、このひとに較べたら私なんかは、まず、おっちょこちょいの軽薄才士とでもいったところかね。見給え、私がこの写真のどこにいるか、わかるかね? ....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
その浮気を渇望している。彼は自己の幸福のために、どうかして翩々《へんぺん》たる軽薄才子になりたいと心《しん》から神に念じているのである。軽薄に浮かれ得るよりほか....
新ハムレット」より 著者:太宰治
にやにやしている。いやな人だよ。僕たちの懸命の努力を笑っているのだ。あんなのを軽薄才士というのだ。いやに様子ぶっていやがる。その癖、王さまや王妃さまに何か言われ....
碧眼托鉢」より 著者:太宰治
演じ、まるで、なっていなかった、悪霊の作者が、そぞろなつかしくなって来るのだ。軽薄才子のよろしき哉。滅茶な失敗のありがたさよ。醜き慾念の尊さよ。(立派になりたい....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
三十七年如一瞬。学医伝業薄才伸。栄枯窮達任天命。安楽換銭不患貧。これは渋江抽斎の述志の詩である。想うに天....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ました。その友人というのが、無論、拙者には竹馬の友でして、鈍重な男ではあるが、軽薄才子ではありません。おたがいは兄弟同様の交りをつづけていたものですが、その友人....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
だった。しかし繊細な貧血的な身体をし宝石を飾りたててるこのビザンチンの皇后は、軽薄才子、美学者、批評家、などという多くの宦官《かんがん》にとり巻かれていた。ただ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
として――あるいはむしろ、退屈払いもしくは新しい退屈事として――社交的夜会に、軽薄才士や疲れきった知識者などの公衆に、堤供しなければならなかった。 クリストフ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人らの心をそそったのだった。しかし世に珍しくない皮肉な現象として、彼はこんどは軽薄才士や流行児などの旧敵によって保護された。芸術家は彼にひそかな敵意をいだいたり....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
マン氏の服装は、ルイ十五世式でもなければ、ルイ十六世式でもなく、執政内閣時代の軽薄才子《アンクロアイヤブル》のような服装だった。彼はそれほど自分を若いと思ってい....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
それを読んでるのでもなかった。いつものとおりアンクロアイヤブル(執政内閣時代の軽薄才子)式の服装をして、ちょうどガラー(訳者注 大革命から帝政時代の政治家)の古....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
》のように、家のなかを見廻した。小説修業の女弟子などが出はいりするのが、美妙が軽薄才子のように罵《ののし》られる種《たね》なのではないかと案じた。 「そんなこと....