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薄暗い
「薄暗い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄暗いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ぶ銀貨を出し、店の外へ行ってしまう。
27
始めはただ
薄暗い中に四角いものの見えるばかり。その中にこの四角いものは突然電燈をともしたと....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、子供のようにうなずいた。
十五
その夜のことである。
馬琴は
薄暗い円行燈《まるあんどう》の光のもとで、八犬伝の稿をつぎ始めた。執筆中は家内の....
「影」より 著者:芥川竜之介
《あと》から、静に出て行ってしまった跡《あと》には、もう夾竹桃も見えなくなった、
薄暗い空虚の客間が残った。すると二人に忘れられた、あの小さな三毛猫は、急に何か見....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
、仄白《ほのじろ》い桜の花を捉《とら》えた。桜! オルガンティノは驚いたように、
薄暗い木立《こだ》ちの間《あいだ》を見つめた。そこには四五本の棕櫚《しゅろ》の中....
「河童」より 著者:芥川竜之介
、マッグの家《うち》へ急いでゆきました。哲学者のマッグは客好きです。現にきょうも
薄暗い部屋《へや》には裁判官のペップや医者のチャックや硝子《ガラス》会社の社長の....
「彼」より 著者:芥川竜之介
た。窓|硝子《ガラス》の破れた自習室には生憎《あいにく》誰も居合せなかった。僕は
薄暗い電燈の下《した》に独逸文法《ドイツぶんぽう》を復習した。しかしどうも失恋し....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
した。夜《よ》はまだ明け切らずにいるのであろう。風呂敷《ふろしき》に包んだ電燈は
薄暗い光を落している。僕は床《とこ》の上に腹這《はらば》いになり、妙な興奮を鎮《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ようやく眠気《ねむけ》がきざして来た。――お蓮はいつか大勢《おおぜい》の旅客と、
薄暗い船室に乗り合っている。円い窓から外を見ると、黒い波の重《かさ》なった向うに....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
》待てば、父の讐《かたき》をとってやるものを!」
声は水牛の吼《ほ》えるように
薄暗い野原中に響き渡った。同時にまた一痕の残月も見る見る丘のかげに沈んでしまった....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
とです。のみならず半之丞は上さんの言葉にうんだともつぶれたとも返事をしない、ただ
薄暗い湯気《ゆげ》の中にまっ赤になった顔だけ露《あら》わしている、それも瞬《また....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
通る人の耳には、日をうけた土蔵の白壁と白壁との間から、格子戸《こうしど》づくりの
薄暗い家と家との間から、あるいは銀茶色の芽をふいた、柳とアカシアとの並樹《なみき....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
》、洋一は書き損じた紙を噛み噛み、店の後《うしろ》にある台所へ抜けて、晴れた日も
薄暗い茶の間《ま》へ行った。茶の間には長火鉢の上の柱に、ある毛糸屋の広告を兼ねた....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
に佇《たたず》んだ聖者の像を照らしている。参詣人はもう一人もいない。
そう云う
薄暗い堂内に紅毛人《こうもうじん》の神父《しんぷ》が一人、祈祷《きとう》の頭を垂....
「運」より 著者:芥川竜之介
いますが、死骸《しがい》は、鼻から血を少し出して、頭から砂金を浴びせられたまま、
薄暗い隅の方に、仰向《あおむ》けになって、臥《ね》ていたそうでございます。
「こ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも
薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加人と....