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「薄様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薄様の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源氏物語」より 著者:紫式部
のであるからとかわいく二条の院の人を思いやってもいた。取り替えてきた扇は、桜色の薄様を三重に張ったもので、地の濃い所に霞《かす》んだ月が描《か》いてあって、下の....
源氏物語」より 著者:紫式部
やいかにと問ふ人もなみ 言うことを許されないのですから。 今度のは柔らかい薄様《うすよう》へはなやかに書いてやった。若い女がこれを不感覚に見てしまったと思....
源氏物語」より 著者:紫式部
へ持って帰った。五節は年よりもませていたのか、若君の手紙をうれしく思った。緑色の薄様《うすよう》の美しい重ね紙に、字はまだ子供らしいが、よい将来のこもった字で感....
源氏物語」より 著者:紫式部
出したかと思うような光があたりを照らした。玉鬘は驚いていた。夕方から用意して蛍を薄様の紙へたくさん包ませておいて、今まで隠していたのを、さりげなしに几帳を引き繕....
源氏物語」より 著者:紫式部
明石夫人であることを思って、遠慮をしすぎる自分を苦笑しながら書いた。それは淡紫の薄様であった。丁寧に墨をすって、筆の先をながめながら考えて書いている中将の様子は....
源氏物語」より 著者:紫式部
らに乱れし雪もよに一人さえつる片敷の袖 堪えがたいことです。 ともあった。白い薄様に重苦しい字で書かれてあった。字は能書であった。大将は学問のある人でもあった....
源氏物語」より 著者:紫式部
辞退してくる人もあったが、そんな時に源氏は再三懇切な言葉で執筆を望んだ。朝鮮紙の薄様風な非常に艶な感じのする紙の綴じられた帳を源氏は見て、 「風流好きな青年たち....
源氏物語」より 著者:紫式部
したらどうでしょうかしら」 などと夫人が言っている時に、宮のお返事が来た。紅い薄様に包まれたお文が目にたつので院ははっとお思いになった。幼稚な宮の手跡は当分女....
源氏物語」より 著者:紫式部
をお配りになると、敷き物のある一所の端が少し縒れたようになっている下から、薄緑の薄様の紙に書いた手紙の巻いたのがのぞいていた。何心なく引き出して御覧になると、そ....
源氏物語」より 著者:紫式部
つ加わった若君をそばへ置き愛しておいでになった。午ごろであるが、小さい童女が緑の薄様の手紙の大きい形のと、小さい髭籠を小松につけたのと、また別の立文の手紙とを持....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
ので急いで車にのって御退出なってしまった。或る時主上が御手習の御ついでにみどりの薄様の香の香のことに深いのに故い歌ではあるけれ共このような時であったろうと思召さ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
であるかと、その物を見ると、それらの紙片は短冊なりに切った長さ三寸巾六、七分位の薄様|美濃に一枚々々|南無阿弥陀仏の御名号が書いてある。それが一束々々になってい....