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薄給
「薄給〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄給の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
たちであった。お菓子職人、二十三歳。上京して、早速、銀座のベエカリイに雇われた。
薄給である。家を持つことは、できず、数枝も同じ銀座で働いた。あまり上品でないバア....
「放浪」より 著者:織田作之助
得出来なかった。病院へ訪ねて行くと、浜子はこんどは眼に泪さえ泛べて、声も震えた。
薄給から金をしぼりとられて行くことへの悲しさと怒りからであったが、しかし、そうと....
「世相」より 著者:織田作之助
型、勤務先大阪府南河内郡林田村林田国民学校」と達筆だが、律義そうなその楷書の字が
薄給で七人の家族を養っているというこの老訓導の日々の営みを、ふと覗かせているよう....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
ら氷屋をやるくらいの資本と生活意欲は持っている。 これが、一銭のたくわえもない
薄給俳優などの場合はどうなるか。 四社連盟以外の会社へ運動するにしても、わずか....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ようである。このなつかしさに対しては、去年の夏から互に許し合っている水泳場近くの
薄給会社員の息子薫少年との小鳥のような肉体の戯れはおかしくて、想い出すさえ恥じを....
「わが町」より 著者:織田作之助
そうされてみれば、おたかもさすがに固い表情が崩れ、小学校の教員といえば、よしんば
薄給にしろまずまず世間態は良いと、素直に考えることが出来た。贔屓目にも定枝の器量....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
れどもね、之で一つお茶菓子でも買って呉れないか」 石子刑事は一円紙幣を出した。
薄給の刑事で限られた軽少な手当から、之だけの金を出すのは辛かったが、彼等に親しく....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
なかった。東都の能楽師等が時勢の非なるを覚って、装束を売り、能面を売って手内職や
薄給取りに転向している際にも翁は頑として能楽の守護神の如く子弟を鞭撻し続けていた....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
女の子のために、一つは男の子のために。そして彼はその両方の教師に、官からもらえる
薄給の二倍の給料を自分の金で払ってやった。そのことを驚いてるある人に向かって彼の....
「愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
い社会的地位まで上らせ、自分も独学して、有名な文筆夫人になっている人がある。夫も
薄給で子どもをおんぶして、貸家を捜しまわった時代のことが書いてある。その人の歌に....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
社員であった。 正宗菊松の潜入監禁手記に至っては、涙なくして読み得ないものだ。
薄給の教師が妻子すらも養い得ず、意を決して天草商事の入社試験をうけ、その翌日には....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
わゆる重役的存在として店務に参加するものの、店より受くる俸給は店の幹部級の者より
薄給なるべきこと。 ここでは説明するためにこういう形になったが、我々の店に何も....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
疑いありません。 私が餅菓子を始めた当時、某有力菓子店の主人から、職人の給料は
薄給なこと、そして問屋から歩合やコンミッションを取る悪弊があること、店の商品や原....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
んでいた。そうされてみれば、おたかもさすがに固い表情が崩れ、小学校の教員といえば
薄給にしろまずまず世間態は良いと、素直に考えることが出来た。贔屓目にも定枝の器量....
「放浪」より 著者:織田作之助
納得出来なかった。病院へ訪ねて行くと、浜子は今度は眼に泪さえ泛べて、声も震えた。
薄給から金をしぼりとられて行くことへの悲しさと怒りからであったが、しかし、そうと....