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薄葉
「薄葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
川の畔《ほとり》にちょんぼりと、その蒼い灰のような、水銀白を柔らかに布《し》いた
薄葉を微風にうら反《が》えしている、たまに白砂の中に塩釜菊が赤紫色に咲いているの....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
は当座の引出物《ひきでもの》として、うるわしい色紙短冊と、紅葉《もみじ》がさねの
薄葉《うすよう》とを手ずから与えた。そうして、この後ともに敷島の道に出精《しゅっ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
になり切ってしまって、読んでいるばかりでは堪能が出来なくなったとみえて、わざ/\
薄葉の紙を買って来て、それを人情本所謂小本の型に切って、原本をそのまゝ透き写しに....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
護していた。 抽斎歿後の第四年は文久二年である。抽斎は世にある日、藩主に活版|
薄葉刷の『医方類聚』を献ずることにしていた。書は喜多村栲窓の校刻する所で、月ごと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らん」 「はいはい」 若い番頭は、一層の恐縮をもって風呂敷を解いて、その中から
薄葉綴《うすようつづ》りの三冊を取り出して、 「はい、ただいま評判の種彦物でござ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いう極めて貴重の外国本の、又写しの又写しの、そのまた又写しの何代かの孫に当るべき
薄葉《うすよう》の肉筆写本を、この青年が持っているのであります。 筆写本だから....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
微風が吹いて来て、机の上を煽《あお》ると、さして強い風ではなかったけれど、半紙の
薄葉《うすよう》を動かすだけの力はあって、二三枚、辷《すべ》るように、ひらひらと....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
堺屋の末娘のおさよから花世に宛てて長い手紙が来ていた。 紅梅《こうばい》入りの
薄葉《うすよう》に美しい手蹟《て》で、忠助にかぎってそんな大それたことをするはず....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
に、大切《だいじ》そうに秘めてあった一通の手紙。 浜村屋の屋号|透《すか》しの
薄葉《うすよう》に、肉の細い草書《くさが》きで、今朝《こんちょう》、参詣|旁々《....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
。と中から果して豆粒ほどの紙球が現れた。まさしく二十七名の連判状! 精巧を極めた
薄葉用紙にランジュルー、デショーモン、ボラングラード、アルブュフェクス、レイバッ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
れたか。」 小坂部は懐中から畳紙をとり出して、兼好の前にひろげた。紅葉がさねの
薄葉の、把る手も薫るばかりなのを膝の上に置いて、兼好はしばらくじっと思案していた....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。その昔のものに負けない上質の厚みある品をこの岩坂で作り出したのであります。ごく
薄葉のものは複写紙として用いられて来ました。岩坂ではこれと共に楮でも三椏でも新し....