薄霜[語句情報] » 薄霜

「薄霜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薄霜の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に冬らしくなりましたよ。なにしろ十三夜を過ぎちゃあ遣り切れねえ。今朝なんぞはもう薄霜がおりたらしいからね」 「十三夜といやあ、あの晩にゃあ飛んだことがあったそう....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
かけて行きな」 名残りの茶わん酒を汲みかわして、いつか、露が深くなって、それが薄霜のようにも見える暁闇の浅草田圃を、二人はまた辿《たど》って行った。 吉原が....
木魂」より 著者:夢野久作
つ線路の前後を大急ぎで見まわしたが、勿論、そこいらに人間が寝ている筈は無かった。薄霜を帯びた枕木と濡れたレールの連続が、やはり白い霜を冠った礫の大群の上に重なり....
露肆」より 著者:泉鏡花
遣った処、手遊屋の婦は、腰のまわりに火の気が無いので、膝が露出しに大道へ、茣蓙の薄霜に間拍子も無く並んだのである。 橙色の柳縹子、気の抜けた肩を窄めて、ト一つ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
さねた気品の揺曳に身をつつむ宮廷の女性を思うのである。 三島江の枯れ蘆の葉には薄霜のほの白い頃、昼となれば芽をふくほどの春風のほの温い肌ざわりである。やがて若....