薄霞[語句情報] » 薄霞

「薄霞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薄霞の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春昼」より 著者:泉鏡花
家は。」 菜種にまじる茅家のあなたに、白波と、松吹風を右左り、其処に旗のような薄霞に、しっとりと紅の染む状に桃の花を彩った、その屋の棟より、高いのは一つもない....
南地心中」より 著者:泉鏡花
薫をたきしめた、烏帽子、狩衣。朱総の紐は、お珊が手にこそ引結うたれ。着つけは桃に薄霞、朱鷺色絹に白い裏、膚の雪の紅の襲に透くよう媚かしく、白の紗の、その狩衣を装....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
顔をつけて、振返ってあとを見たが、名残惜しそうであわれであった。 時しも一面の薄霞に、処々|艶あるよう、月の影に、雨戸は寂と連って、朝顔の葉を吹く風に、さっと....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
土手の上にござらっしゃる。」 錦の帯を解いた様な、媚めかしい草の上、雨のあとの薄霞、山の裾に靉靆く中に一張の紫大きさ月輪の如く、はた菫の花束に似たるあり。紫羅....