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薄馬鹿
「薄馬鹿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薄馬鹿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
うと、あなたは御自分の世界をもっている作家です。はっきり云うと、生意気で、ぼくは
薄馬鹿ですね。あなたの世界をぼくは熱愛できないのです。あなたが利巧だとは思わない....
「人間失格」より 著者:太宰治
つけられ、内も外も変りなく、ただのべつ幕無しに人間の生活から逃げ廻ってばかりいる
薄馬鹿の自分ひとりだけ完全に取残され、堀木にさえ見捨てられたような気配に、狼狽《....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れは近所の質屋のせがれで辰次郎という奴です。年は十九ですが、一人前には通用しない
薄馬鹿で……。こいつがどうしてズウフラなんぞを持っていたかと云うと、自分の店で質....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はなかなか親孝行で、人間も馬鹿じゃあねえと云います」 こう列べてみると、正直か
薄馬鹿か、揃いも揃った好人物で、一人も怪しい者はない。亀吉が詰まらなそうに報告す....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
いて行くアスファルトの大通りが、やがて二つに裂けて左右に岐れていた。その岐れ目の
薄馬鹿の額のように間ののびた面積が、手際よく楕円形に積土されて、プラタナスの木株....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
手短に物語ってくれた。その話はシルヴァーが心から興味を持ったものであった。そして
薄馬鹿の置去り人のベン・ガンが始めから終りまでその主人公なのであった。 ベンは....
「ひでり狐」より 著者:豊島与志雄
二 その村に、徳兵衛《とくべえ》という男がいました。ひとり者で、少し
薄馬鹿《うすばか》ななまけ者で、家を一軒もつことが出来なくて、村の長者の物置小屋....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
きて、こんな山奥へ、そんなムダなこと、しませんテバ、と口ごたえする。カメもトメも
薄馬鹿であるが、どこできいたか、アメリカの機械といえば日本は遠く足もとへも及ばん....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
を立てゝあげる。かはつて私が彼女同伴最上先生にであつた時には、最上先生が私よりも
薄馬鹿みてえに振舞つて私を立てゝくれなきやいけません。この一つが紳士道唯一絶対の....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
する。仕方がないから、母には内密に、私から断わることにして、近所の洗濯屋の娘で、
薄馬鹿だけれども伝言の口上だけはひどく思いつめて間違いなくハッキリいってくるとい....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
ようであった。 けれども、法蓮房はバカバカしくなってしまったのである。井の中の
薄馬鹿な蛙のような坊主どもの指金できまる名僧の名に安住する奴も同じようなバカであ....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
らね、知らぬ顔の半兵衛の白河半平、アッハッハ」 ひとりで、喜んで、笑っている。
薄馬鹿みたいなようであるが、どうも薄気味わるくて、うちとけられない。すると、半平....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
ターはすぐに笑つたりじようだんをいつたりしそうであつた。 新馬鹿大将というのと
薄馬鹿大将というのと二様の名まえもこの小屋で覚えたが、この両名が別人であつたか、....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
腰車にかけられてイヤというほど土に頭を叩きつけられて目をまわして息はふき返したが
薄馬鹿になったという者もある。押しつぶされて足の骨を折った者もあるし、たった一発....
「米」より 著者:犬田卯
った。」おせきは顔を尖らしたが、叱りつけている暇はなかった。「汝らに分るか、この
薄馬鹿野郎。――さア子、早く、裏の家の自転車でも借りて行って来う。」 庭先に干....