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「薫化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薫化の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
教育と文芸」より 著者:夏目漱石
の前にもこれを吹聴《ふいちょう》したのである。感激的教育概念に囚《とらわ》れたる薫化《くんか》がこういう不正直な痩我慢的な人間を作り出したのである。 さて一方....
能とは何か」より 著者:夢野久作
が、芸術の世界はそうは行かない。家元が自身鍛練した芸風によって、自流の世界を統一薫化すると同時に、他流の世界と闘って自流の流是を貫いて行かねばならぬ。だから、家....
鼻の表現」より 著者:夢野久作
は厳として宇宙に磅※し、その光輝は燦として天地を照破し、その美徳は杳として万生を薫化しております。唯これ等の事実が無意識の裡に認められて、無意識の裡に行われてお....
木犀の香」より 著者:薄田泣菫
た木犀の北にたゆたひ、はては靡き流れて、そことしもなく漂ふうちに、あたりの大気は薫化せられ、土は浄化せられようといふものだ。 そして草の片葉も。土にまみれた石ころも。やがてまた私の心も……....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
た。二葉亭が語学校に在任したは僅かに三年であったが、その人格はあまねく露語学生を薫化して、先進市川及び古川と聯んで露語の三川と仰がれるまで悦服された。日露戦争に....
帝国劇場のオペラ」より 著者:永井荷風
た事のなかった歌謡音楽を聴き得たわけである。わが当代の芸術界は之がために如何なる薫化を蒙ったかはまだ之を審《つまびらか》にすることができない。然し松方山本二氏の....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
諸象、およびこれより生ずるところの万変万化、自然に我人の精神思想、性質気風を感動薫化するこれなり。しかしてこの天然の形情を、画に文に詩に音楽に彫刻に現示して人を....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あります。そして、かの大生命の帯びている自然の諸性徳は、順次に私たちの精神肉体を薫化して行くのであります。このことは、他の章でいろいろの例を以て説明してあります....
三国志」より 著者:吉川英治
この世が美しいものに満ちているような心地がするのだ。――そういう一箇の人格が他を薫化することは、後世千年、二千年にも及ぶであろう。其方たちも、この世でよき人物に....