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薫染
「薫染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薫染の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
居を移してから僕の宗教的情調は稍《やや》深くなって来た。僕の仏教は勿論僕の身体を
薫染《くんせん》した仏教的気分に過ぎないのである。僕は涅槃《ねはん》に到達するよ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
って来た。だがそれにも拘らず日本ファッショ的イデオロギーは国民の身辺にいつとなく
薫染しつつあることを見逃してはならぬ。ところが之に対して、マルクス主義も亦著しく....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
居る榛原(萩原)のなかに入って逍遙しつつ、此処まで旅し来った記念に、萩の花を衣に
薫染せしめなさい、というのであろう。 右の如くに解して、「草枕旅ゆく人も行き触....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
する美しさに及ぶものはないのである。離合を重ねるたびに人間の、ことに女性の霊魂は
薫染せざるを得ないからである。如何にハリウッドの女優のような知性と生活技法、経済....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
が目立っていた。引きつづいてカトリックに信仰を持っていたとは言えなかったが、その
薫染がどこやらに残っていて、未亡人に接するたびにその匂いをかぐように感ぜられた。....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
以て見られた向もあったとおもうが、済生学舎の長谷川泰翁の人格がいつ知らず書生にも
薫染していたものと見え、ここの書生からおもしろい人物が時々出た。 ある時、陸軍....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
白孔雀』巻末に書いた感想をひいてみると、 ――今その手録された詠草を見ると、「
薫染《くんぜん》」に収められた歌以外のものに、かえって真実味に富んだ、哀婉《あい....
「日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
近世を持つのだ。 この近代的封建制の整然たる処が、近代的封建文化の発達と成熟と
薫染とを齎したのだ、ということを改めて注目すべきであろう。それ故日本固有の文化と....