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「薫育〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薫育の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
ろへ遠島された。それが父の七歳の時ぐらいで、それから十五か十六ぐらいまでは祖父の薫育《くんいく》に人となった。したがって小さい時から孤独で(父はその上一人子であ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
。 翁は九州に帰って後、そうした惨澹たる世相の中に毅然として能楽の研鑽と子弟の薫育を廃しなかった。野中到氏(翁の愛娘千代子さんの夫君で、後に富士山頂に測候所を....
能とは何か」より 著者:夢野久作
一所懸命になって、そんな人間を探し出して、自分の流派の後継者として、精彩を尽して薫育をする。 その教育方法は、随分、思い切って手酷いもので、時と場合によっては....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
であり、したがってまた感情的のものである。かの俳人が枯淡を尊ぶのは、趣味性の上の薫育であって、詩的精神の涸燥《こそう》を意味しないのは勿論である。詩的精神の情熱....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
リア朝以前から現代まで持続している豪家の子女達がその豊富な物資に伴う伝統的教習に薫育されて、随分知識も感覚も発達して居る。だが結局その知識や教習がやがてそれ等自....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
び、古今の英雄・学者の肖像、石に彫刻せるもの路傍に並列するを見て曰く、これ我人を薫育する良教師なり。およそ人たるもの、ひとたび英雄の肖像を見れば、その心おのずか....
食道楽」より 著者:村井弦斎
ら一々一人一人の品性を陶冶《とうや》する力はない。家庭では一人一人に対して充分の薫育《くんいく》を施《ほど》こす事が出来る。家庭で充分に品性を養って学校ではただ....
黒田如水」より 著者:吉川英治
生を名利の外に楽しんでいた。 官兵衛の為人は小さい時から愛されたそのおじい様の薫育によるところが多かったのである。もう悪戯ざかりの少年時代にそのおじい様の思想....
それから」より 著者:夏目漱石
がぱたりと已んでしまった。それから以後ついぞ怒った試しがない。親爺はこれを自分の薫育《くんいく》の効果と信じてひそかに誇っている。 実際を云うと親爺の所謂《い....