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薬剤
「薬剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
希望しているのみであったが、東海林泰徳というアディソン病患者の父は、さすが職業が
薬剤師だけに、病の性質上死期の早かった点に、濃厚な疑念を抱いているかのような口吻....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
った。比較的変遷の多い筈の薬屋も動かなかった。よぼよぼ爺さんが未だに何十年か前の
薬剤師の免状を店に飾っているのだった。八百屋の向いに八百屋があって、どちらも移転....
「俘囚」より 著者:海野十三
てんじょう》に、ポッツリ点いている。その角を直角に右に曲る。――プーンと、きつい
薬剤《やくざい》の匂いが流れて来た。夫の実験室は、もうすぐ其所《そこ》だ。 夫....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
させることになって、ある蘭法医のところへ送って検査させると、それは日本人の毛髪を
薬剤や顔料で染めたものではないらしい。さりとて獣の毛でもない。おそらく異人の毛で....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
けで部分的には民衆医術の中にも伝わり今日まで保存されてきたのである。彼らの用いた
薬剤は、現今でも支那の薬屋で売っているような無気味な調剤とかなりよく似た品物であ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
っとこう、小さな公爵夫人というような気がする。 光子さんは衛戍病院のごく下級な
薬剤師か何かの娘だった。彼女の着物はいつも垢じみていた。細面で、頬はこけていた。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
れを裁判したが、棺をあばいた罪に照らそうとすれば、その人は死んでいないのである。
薬剤をもって子女を惑わしたという罪に問おうとすれば、娘も最初から共謀である。さり....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
、硝子張の調剤室の中で動いている女幽霊を幽霊とは思わないで、それはこの薬局の婦人
薬剤師だと思ったので、外から声をかけたのであった。 だが、女幽霊のこととて、返....
「火星兵団」より 著者:海野十三
かな銀座の通に、ようやく一軒の薬屋さんを見つけて、その店先をくぐった。
千二は
薬剤師らしい白い服を着た店員に、
「あのう、ボロンの大壜を二、三本売ってくれませ....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
時に挨拶した。 「やあ。」 若い男は僕の町の薬屋のせがれで、福岡か熊本あたりで
薬剤師の免状を取って来て、自分の店で調剤もしている。その名は市野弥吉といって、や....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
くったときくからは、一応うなずけもしたが、それにしてもそれだけの見聞でひとかどの
薬剤師になりすまし、いきなり薬屋開業とは、さすがにお前だと、暫らく感嘆していた。....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
、――山の井医院の梅岡という、これがまた神田ッ児で素敵に気の早い、活溌な、年少な
薬剤師と、二人で。愛吉に一|剃刀、見事に胸をやられたお夏さんを、まあとかくしてで....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
までもなく、自分一人で彼の虎ヶ窟を探ろうと決心した。で、一旦内へ引返して、応急の
薬剤と繃帯とを用意して、足早に表へ出ようとする時、七兵衛|父爺が寝惚眼を擦りなが....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
そいそとしていた。おたかは何かと病気の口実を設けて、薬の調合をして貰いに行った。
薬剤師は口髭を生やした顔の相好を崩した。それがいやらしい顔だと、見れば見られたが....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
市で買ってきたという南京豆入りの飴を出してすすめ、自分も口に入れて、 「内玄関で
薬剤師の竹村春枝さんに会ったわ。あのひと、また来ているの?」 と話をかえた。 ....