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薬包
「薬包〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬包の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
した小型の注射器に蒸溜水を七分目ほど入れて、箱の片隅の小さな薬瓶の中の白い粉を、
薬包紙の上に零《おと》すと、指の先で無雑作に抓み取りながら注射器の中へポロポロと....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
かに寄りはしなかったか」 「鳥渡買物に寄りました」 「なにッ、買物に。そこで君は
薬包をどこかへ置きはしなかったか」 「いゝえ」 「ひょっと落して、人が拾って渡し....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
ると、健吉くんが投じたのか保一くんが投じたのかさっぱりわからなくなってきました。
薬包紙に残る指紋はもとより不完全なもので、だれのものともわからず、また、ある一定....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
と――そして祖母がよくはなす、 「祖父が丸の内のお出入り屋敷へゆくと、向うから、
薬包紙《やくたいし》のように日にやけた小僧が、白い歯をだしてニヤニヤ笑いながら来....
「明日」より 著者:井上紅梅
、單四嫂子はそら恐ろしく感じた。 日はまんまると屋根の上に出ていた。單四嫂子は
薬包と子供を抱えて歩き出した。寶兒は絶えず藻掻いているので、路は果てしもなく長く....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いたのを、定廻りが拾って番屋へ持ってきた。覆蓋《おおいぶた》をあけて見ると、赤い
薬包が二服入っている。調べて見ると、意外にも、それは猛毒を有する鳳凰角《ほうこう....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、お伴いたしやしょう」 ようやく六ツになったばかり。磨きあげたような夏の朝空。
薬包紙《やくほうし》 膳椀の箱やら金屏風やらあわててゴタゴタと運びこんだ土蔵の....