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薬取り
「薬取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
き》をかいていた。 「清を寝かしてやって下さい」と御米が宗助に頼んだ。 小六が
薬取りから帰って来て、医者の云いつけ通り服薬を済ましたのは、もうかれこれ十二時近....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
せん、神経を御起しになるといけませんよ」と先生が帰る。三時は三十分過ぎた。下女を
薬取りにやる。細君の厳命で馳《か》け出して行って、馳《か》け出して返ってくる。四....
「どんぐり」より 著者:寺田寅彦
なくなったのを見て、いっそう気を落としたとこれはあとで話した。 あくる日下女が
薬取りから帰ると急に暇をくれと言い出した。このへんは物騒で、お使いに出るときっと....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
うもよく覚えておりません」 「そうですか」野村はがっかりして、「では、昨日か今日
薬取りに来なければならん人が、来ないという事はありませんか」 「あア、調べて見な....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
伐ったり焼いたりして、黍など作ってある。関翁が大声で、「婆サン如何したかい、何故
薬取りに来ない?」と怒鳴る。爺さんが出て来て挨拶する。婆さんは留守だった。十一二....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
心得違えをしてはなんねえ!」 後ろから飛びついてお松の両手を抱きすくめたのは、
薬取りから帰った与八です。 「飛んでもねえこんだ、刃物《はもの》なんぞを持って」....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
企つる内、唐穴《からっけつ》になって下山しとうとう走り大黒を拝まなんだ。全く惚れ
薬取りが惚れ薬に中毒したのだ。その節集古会員上松蓊君も同行したから彼女の尤物《ゆ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
のか存じませんが、ここもお父様の病家でした。小さいお子さんを乳母が背負って、よく
薬取りに来ました。そのお乳母さんが話好きで、お子さんもお父様に髯のあるのを怖がら....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
勝手が判らないのでよほど困ったらしいが、それでも一生懸命に働いてくれた。暗い夜を
薬取りの使にも行ってくれた。目見得も済んで、翌日から私の家に居着くこととなった。....
「手風琴」より 著者:小川未明
がきかなくて死んでも、毒にさえならなければかまわぬといった世の中です。私の親父も
薬取りでした。そして、命がけで取って薬を売って歩いて、一|生を貧乏で送りました。....