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薬液
「薬液〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬液の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「去年」より 著者:伊藤左千夫
いったけれど、知覚精神を失った最後の数時間までも、薬餌をしたしんだ。匙であてがう
薬液を、よく唇に受けてじゅうぶんに引くのであった。人間は息のとまるまでは、生きよ....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
やることになった。若い男は教わって来たとおり、道具を女の身体に、挿し入れて、或る
薬液を注入した。それは或る時間の後になって、成功したことが始めて判った。しかし女....
「蠅」より 著者:海野十三
いろやってみてやっと栓を抜いた。 「さあ、しめたッ」 私はそのひとたらしもない
薬液を、口の中へ滴しこんだ。それはたいへん苦い薬だった。 スーッと身に涼風が当....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
に分かれている室には無数の微細の種子が、白胡麻のように充ちている。これから採った
薬液を、幻覚痳痺性眠剤と呼ぶ。その採り方がむずかしい」 老人の説明は音楽のよう....
「申陽洞記」より 著者:田中貢太郎
す」 大王はまた唸り声を立てた。李生は腰の皮袋をはずしてその中から石綿に浸した
薬液を取りだし、その小部分を撮みとって大王の一方の手へ乗せた。 「これをさしあげ....
「B教授の死」より 著者:寺田寅彦
でM大学の解剖学教室でそれを預かることになった。 同教室に運ばれた遺骸に防腐の
薬液を注射したのは、これも今は故人になったO教授であった。その手術の際にO教授が....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
る気配であった。それでも遂に彼女は仕事にかかった。白いバットの中に、青味がかった
薬液が注ぎ入れられた。その中へ白いガーゼを浸して、たっぷりと液を吸わせた。女はそ....
「金属人間」より 著者:海野十三
いるという脳髄は、ビーカーの中で、沸々《ふつふつ》と沸騰《ふっとう》する茶褐色の
薬液《やくえき》の中で煮られてまっくろに化《か》していく。 「これでいい、もうこ....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
けれど、どうやら、本当の戦闘が始まるらしいぞ。衛生隊では、たくさんのガーゼを消毒
薬液の中へ、どんどん放りこんでいる」 「じゃあ、いよいよ本当の戦闘だな。しかし相....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
をコップへ移して水を加えてかきまわした。その上へ、別の薬品をいくつも投げこんだ。
薬液の色はいくたびか変り、最後には薬がかかった色の液が白い泡をたてて沸騰し、もう....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
を開いて、アンプルを取ってくびれたところを切ると、医者は注射器の針を入れて器用に
薬液を移しました。そして兄の背中へズブリと針をさしとおしました。やがて注射器の硝....
「重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
料を飲まされた。コップに一杯の砂糖水をつくって、その上に小さな罎に入った茶褐色の
薬液の一滴を垂らすと、それがぱっと拡がって水は乳色に変わった。飲んでみると名状の....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
え立ち、煙を上げるのを見つめ、その沸騰がしずまったとき、勇気をふるい起こしてその
薬液を飲みほした。 つぎに非常に激しい苦痛がおこった。骨が挽かれるような苦しみ....
「麻酔剤」より 著者:田中早苗
いだすか知れたもんじゃない――そう考えるといよいよ堪らなくなって、また一滴一滴と
薬液を垂らしました。自分でも夢中で何をやっているかわかりませんでした。 ふと気....
「歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
なことを化学者が一々やっていられるものではない。たとえば一つの骨格を作る時には、
薬液に浸したり、漂白したり、それをつなぎ合わせて一つ一つの骨をとめたりするような....