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薬王
「薬王〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
薬王の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
必要もなかった。 彼はその日|無沙汰《ぶさた》見舞かたがた市ヶ谷《いちがや》の
薬王寺《やくおうじ》前にいる兄の宅《うち》へも寄って、島田の事を訊《き》いて見よ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
とばかり詩吟をして来ます。こいつは大変だと金善の角を西へ折れて濠端《ほりばた》を
薬王師道《やくおうじみち》へ出て、はんの木村から庚申山《こうしんやま》の裾《すそ....
「野分」より 著者:夏目漱石
くだものや》の奥の方に柿ばかりがあかるく見える。夕暮に近づくと何となくうそ寒い。
薬王寺前《やくおうじまえ》に来たのは、帽子の庇《ひさし》の下から往来《ゆきき》の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がございましたために、私に幼少の折から琵琶を教えて下さいました老師が、あの高尾山
薬王院に隠居をしておいでの由を承り、それを頼って参りましたが、不幸にして老師は上....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
つ垂々と背に汗。 糸のような一条路、背後へ声を運ぶのに、力を要した所為もあり、
薬王品を胸に抱き、杖を持った手に帽を脱ぐと、清き額を拭うのであった。 それと見....
「連環記」より 著者:幸田露伴
た。これでも別に悪いことは無い。 寂心が三河国を経行したというのは、晩秋過参州
薬王寺有感という短文が残っているので此を証するのである。勿論入道してから三河へ行....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しゃと、そう感憤激昂して、水戸を毛嫌いしている――
こういうむしゃくしゃ腹で、
薬王寺前あたりへ来た時に、どんと無遠慮に神尾の前半にぶつかったものがありました。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の翌朝、二人の姿を高尾山の峰の上で発見するようになりました。 二人は高尾山上の
薬王院へ参詣しようというのでもなく、山頂に鎮座するこの山の守護神、飯綱権現《いい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ってどこまでも追いかけるのは、かなりしつこいものです。 十一 この時分、高尾山
薬王院の奥の院に堂守をしていた一人の老人がありました。 以前、不動堂がまだ麓《....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
うち、夢中に悟るところあって、姫路の城下を去ること三里、法華ヶ嶽という山に、名木
薬王樹の一枝を求めに行った。其処ではからずも、世に隠棲している竹光柳風軒に出逢い....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
ひとり大白法たる法華経を留めて「閻浮提に広宣流布して断絶せしむることなし(法華経
薬王品)」と録されてある。また、「後の五百歳濁悪世の中に於て、是の経典を受持する....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
た、老同行とは日和佐町の入口で別れた(おじいさん、どうぞお大切に)。 第二十三番
薬王寺拝登、仏殿庫裡もがっちりしている、円山らしい、その山上からの眺望がよろしい....
「土の中からの話」より 著者:坂口安吾
だろうという考えからだが、それは困ったねえ、でも、いいことがあるよ、隣の三上村の
薬王寺では飲みきれないほど酒があるということだから借りておいでな。なに、働いて、....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
り描いているワイズミュラアに似たアメリカ人だったが、ロックフェラアより金持の、火
薬王のジュポンの一族だとわかってみなで大笑いした。 太平洋戦争がはじまった日、....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
中を馳《か》け出した。 九 市《いち》ヶ|谷《や》合羽阪《かっぱざか》を上った
薬王寺前町《やくおうじまえちょう》の通に開業している医者が、応急の手当をしてくれ....