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「薬礼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

薬礼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
永日小品」より 著者:夏目漱石
元にもう一つ箪笥がある。その箪笥の上にまた用箪笥が乗っている。暮の事なので医者の薬礼《やくれい》その他がこの内に這入っているのだそうだ。妻に調べさせるとこっちの....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
て鼻毛をぐっと抜く。「今月はちっと足りませんが……」「足りんはずはない、医者へも薬礼はすましたし、本屋へも先月払ったじゃないか。今月は余らなければならん」とすま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あ、もう少し我慢しようよ」 自身番のおやじや番太郎には金作りが多かった。医者の薬礼を恐れる彼は、なるべく買い薬で間にあわせて置きたかったのであるが、夜のふける....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
から、病人の中へ宿賃の催促もされねえから、仕方なしに遠慮していたけんど、医者様の薬礼から宿賃や何かまで、彼の男が亡くなってしまった日にゃア、誠に困る、身ぐるみ脱....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
を案じましてくよ/\と病気になりましたが、医者を呼びたいと思いましても、診察料も薬礼も有りませんから、良い医者は来て呉れません。幸い貯えて有りました烏犀角を春見....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
り》と立上らせてしまう。さて※人《かせぎにん》が没してから家計は一方ならぬ困難、薬礼《やくれい》と葬式の雑用《ぞうよう》とに多《おおく》もない貯叢《たくわえ》を....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
もっともそういうこっちもお上に鑑札を願っている専門医じゃないのだから、診察料や薬礼は一切取らない。その代りに万一助からなくたって責任は無い。殺すつもりで生かし....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
との評が立ち、あっちこっちから療治を頼まれ、実はいゝ加減にやってはいるが、相応に薬礼をよこすから、足を留めていたものゝ実は己ア医者は出来ねえのだ、尤も傷寒論の一....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
金のことですからお松はヒヤリとすると、案《あん》の定《じょう》、 「道庵先生への薬礼《やくれい》はどうなさるつもりだえ」 「伯母さま、実を申し上げれば、今のとこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
たや》の長者町へ行って十八文の先生といえば誰にもわかるのであります。 「先生、お薬礼《やくれい》はいくら差上げたらよろしゅうございましょう」と聞くと、「あ、十八....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
はナニ二百五十銭ばかりの銭で腹ア立てゝ、あれは根が太田宗長という医者が悪いので、薬礼しろというが、銭ねえならお前二百五十銭に負けて遣ってくれというが、負けられね....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「近頃の医者は、みな、学問も出来れば技《わざ》も出来、従って知行もたくさん取り、薬礼の実入《みいり》も多分にあり、位も高くなるし、金も出来るのに、哀れやこの道庵....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
生一流の処方箋でありました。 「もろこし我朝に、もろもろの医者達の出し申さるる薬礼の礼にもあらず……ただ病気全快の節は十八文と申して、滞りなく支払するぞと思ひ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さんを信用しないものと同じことに、間違っているのでございます。また、うちの先生は薬礼を十八文ずつときめてお置きになります、これが、ケチのようですけれども、できな....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
自分と家族のことだけ考えるんだな」 こんなことを言った。自分は自転車で、ろくに薬礼もよこさない貧乏な百姓家を飛びまわって見てやっているので、一身上のことなどう....