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「藁人形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藁人形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一尺ほどもある細長い箱で、はて何だろうとすぐに打ち毀《こわ》してみると、なかには藁人形……。それはまあ有りそうなことですが、ねえ、親分、凄いじゃあありませんか。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
十四五の小娘をつれて、桐屋の飴の袋をさげていた。小娘は笹の枝につけた住吉踊りの麦藁人形をかついでいた。 「あら、三河町の親分さん」と、女は立ち停まって愛想のいい....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
はすんだというように、身体のこなしを一新して、整列した兵卒にむかった。 兵士は藁人形のようにバタバタと倒れた。 方振武は頑強に、城内に踏み止まっていた。 ....
牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
けてあった。彼はぶるぶると顫えながら、牡丹燈の下の方へ眼を落した。そこには小さな藁人形が置いてあって、その背の貼紙に「金蓮」と書いてあった。 喬生は夢中になっ....
胡氏」より 著者:田中貢太郎
投げて巨人を中にとりこめて乱撃した。巨人は斃れてしまった。それは葬式の時に用いる藁人形であった。家の者はますます狐をあなどった。 狐はそれから三日間はこなかっ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
さすがのリット少将も、また警備隊員達も、この早業にすっかり胆をつぶしてしまって、藁人形のように窓硝子の穴を呆然とみつめるばかりであった。 杉田二等水兵は、胸が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、この番所に向っての示威運動であることは確かであります。 そのうちに、大きな藁人形《わらにんぎょう》が二つ、群集の中に、こちらへ向けて、高く押立てられました....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
《たやす》く斬れるとは思っていなかったのに、案外なのはその馬上の人です。ほとんど藁人形を斬るよりも容易《たやす》く斬れてしまいました。たとえ無意味にしろ、山崎な....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。」 「こいつ、よく舌が回りやがる。」とバベは叫んだ。 「パリーの子供《がき》は藁人形《わらにんぎょう》じゃねえ。」とブリュジョンは言葉を添えた。 「何の用なん....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
貴公の青玉の十字架を下さらんか。どうだな? 幸いあたりに人も居らん。わしは貴公を藁人形のように八つ裂きにも出来ますぞ」 少しも変っていないその声や態度は、その....
俊寛」より 著者:倉田百三
ために。夜陰の森中に、鬼火の燃える鼎の中に熱湯をたぎらせて、宗盛に似せてつくった藁人形を煮ました。悪僧らはあらゆる悪鬼の名を呼んで、咒文を唱えつつ鼎のまわりをま....
多神教」より 著者:泉鏡花
と蔽う乱れたる胸に、岸破と手を差入る)あれ、あれえ。 神職 (発き出したる形代の藁人形に、すくすくと釘の刺りたるを片手に高く、片手に鉄槌を翳すと斉しく、威丈高に....
血の盃」より 著者:小酒井不木
した。丹七は気づかれぬようにぬき足で彼女の傍へ来て、よく見るとそれは、六七|寸の藁人形であった。 あさ子はその藁人形を、左の手で老松にぴったりあて乍ら、右手で....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
すからもちろん独立は覚束ない。どれだけ大きな強壮の身体を持って居りましてもそれは藁人形と同様で、独立心のない豪傑は人の奴隷となるだけです。ただしこの後|意想外の....
牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
てあった。彼はぶるぶると顫えながら、牡丹燈の下のほうに眼を落した。そこには小さな藁人形が置いてあって、その背の貼紙に「金蓮」と書いてあった。 喬生は夢中になっ....