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藁沓
「藁沓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藁沓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
の、戟《ほこ》を持つもの、皆それぞれ、得物《えもの》に身を固めて、脛布《はばき》
藁沓《わろうず》の装いもかいがいしく、門の前に渡した石橋へ、むらむらと集まって、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にはあの牛飼の若者が、土器《かわらけ》にともした油火《あぶらび》の下に、夜なべの
藁沓《わらぐつ》を造っていた。彼は戸口に思いがけない人のけはいが聞えた時、一瞬間....
「国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
いない)、ヒ→促音(「冀《ネガ》ひて」がネガテ、「掩ひて」がオホテ)、グ→ウ(「
藁沓《ワラグツ》」がワラウヅ)などは院政時代からあらわれている。その他「まゐで」....
「夢十夜」より 著者:夏目漱石
だから、腰をかける訳に行かない。草の上に胡坐《あぐら》をかいていた。足には大きな
藁沓《わらぐつ》を穿《は》いていた。この時代の
藁沓は深いものであった。立つと膝頭....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ものがある。焼け残りの松明を始末するものがある。道路にのこしすてられた草鞋、馬の
藁沓、それから馬糞の類なぞをかき集めるものがある。 「大きい御通行のあとには、き....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
方に見られないものであるとか。美濃方面から冬期にこの神社の位置に達するためには、
藁沓を用意し、その上に「かんじき」をあてて、難場中の難場と聞こえた国境の加子母峠....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
冬|最中、雪たけありて裾寒き浅間下ろしの烈しきにめげず臆せず、名に高き和田塩尻を
藁沓の底に踏み蹂り、木曾路に入りて日照山桟橋寝覚後になし須原の宿に着にけり。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
雪具といった方がいいかも知れない。竹の笠と、半合羽《はんがっぱ》と、カルサンと、
藁沓《わらぐつ》といったようなものが、取揃えられてあるのを見ると、あれをお借りし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
な苦しい道中のことでございますから、御服装などもそれはそれは質素なもので、足には
藁沓、身には筒袖、さして男子の旅装束と相違していないのでした。なれども、姫は最初....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
しておく必要があろうと思い、中へ入って薪を抱えとりながら隅のほうを見ると、六足の
藁沓が並んでいた。狭山のとおなじもので、三足は棚の上に、三足は地べたに置いてあっ....
「凍雲」より 著者:矢田津世子
道は、屋根から行き来できるほどの高さになり、着ぶくれて丸っこくなった子供たちは、
藁沓にぼっちをかむって、屋根から屋根へ、ひょいひょいと渡りながら、七曲りの松の木....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
の下旬にはいっていた。が乗客はまだいずれも雪国らしいぎょうさんな風姿をしている。
藁沓を履いて、綿ネルの布切で首から頭から包んだり、綿の厚くはいった紺の雪袴を穿い....
「耕耘部の時計」より 著者:宮沢賢治
にたち、農夫たちはもう食事《しょくじ》もすんで、脚絆《きゃはん》を巻《ま》いたり
藁沓《わらぐつ》をはいたり、はたらきに出る支度《したく》をしていました。 俄《....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
い地図となるでしょう。南の方では焼物が美しく肩を並べていたり、北の方では蓑だとか
藁沓だとかが大変|綺麗に編んであったりするのを見かけます。そうかと思うと離れ島の....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
藍の葉をもつて摺りて文様せるものにて、放免には横縞の青き文様などを付したるなり。
藁沓を履けるは前に同じ。(以上江馬氏の文) 葵祭に出る放免は検非違使庁の下部と....