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藁縄
「藁縄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藁縄の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
留めて、二人はとうとう組討ちになって……。土手下に転がって争ううちに、そこに細い
藁縄が落ちていたので、重兵衛は半分夢中でその縄を拾って、相手の頸にまき付けて……....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
五分位飛び出ているんです――で、つまりその釘の頭と里程標の両方に、それぞれ普通の
藁縄の切れ端が着けられたままで残っておりました。 「……で、要するに」と保線課員....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
いように居て、桟俵なぞを尻に敷きながら、この光景を眺めた。辰さんは俵に足を掛けて
藁縄で三ところばかり縛っていた。弟も来てそれを手伝うと、乾いた縄は時々切れた。「....
「睡魔」より 著者:蘭郁二郎
村田の息を切った声が二階から 「喜村。逃がすなッ!」 「よし!」 手元にあった
藁縄を掴んで、きっと身構えた。しかし落ちて来た男は、逃げるどころか打ちどころが悪....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
能わず。依て亦両手の労を休まんとして両手を前にする時は、直に叺を両方より結びたる
藁縄に喉頭を押しめて呼吸|絶なんとして痛みあり。依て亦両手にて
藁縄を下方に引く時....
「迷信解」より 著者:井上円了
家蟹の殻へ目口をえがきたるものあり、草鞋の片足を釘づけにしたるもあり、塩鮭の頭を
藁縄にて貫きてつるせるもあり、そのなんの意たるや解するに苦しむことが多い。これを....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
しといい、あるいはそのきり口へ狐狗狸の三字を記入せざれば不可なりといい、あるいは
藁縄を左ひねりにない、五重半にこれを切り、左結びになさざれば不可なりというものあ....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
クグ」(五九頁)によると、今でも山陰地方では、山子・木挽・石屋等に限って、叺様の
藁縄製の袋を携帯しているが、旧皮屋部落の青年が、それを蒲で作ったものを持っておっ....
「本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
葬法は近年まで残っていた。石川県|羽咋《はくい》郡富永村では、死者を納棺する際に
藁縄、或いは白布を以て屍体を緊縛した。これを極楽縄と称し老人は自分で拵《こしら》....
「宇賀長者物語」より 著者:田中貢太郎
年とった僕が赤く焼いた火箸のような鉄片を持って出て来ました。握る処には濡れた
藁縄を巻いてありました。長者はそれを受けとると、庭に下りて壮い男の前に立ちました....