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藁苞
「藁苞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藁苞の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
れつき頭の悪い記者は、念のため今一度買った八百屋に行ってきいて見たら、「今までの
藁苞《わらづと》に這入っているのでは、そのままお膳に乗っけられませぬ。つまり文化....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
大きな炉をきって、自在に大薬罐の湯がたぎって居る。煤けた屋根裏からつりさげた
藁苞に、焼いた小魚の串がさしてある。柱には大きなぼン/\が掛って居る。広くとった....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
や紫陽花などが植えて有って、隣家も遠い所のさびしい住居でございます。二人は窃っと
藁苞の中から脇差を出して腰に差し、慄える足元を踏〆めて此の家の表に立ちましたのは....
「納豆合戦」より 著者:菊池寛
した。 「一銭のだい!」と吉公は叱るように言いました。お婆さんがおずおずと一銭の
藁苞を出しかけると、吉公は、 「それは嫌だ。そっちの方をおくれ。」と、言いながら....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
は疑問である。樹の幹や枝の弾性は果してその重量に堪え得るや否や覚束ない。あるいは
藁苞のような恰好をした白鳥が湿り気のない水に浮んでいたり、睡蓮の茎ともあろうもの....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
した。つづく下枝の節の処へ、構わない、足が重るまでも一所に踏掛けて、人形の首を、
藁苞にさして、打交えた形に、両方から覗いて、咽喉に嵌めて、同時に踏はずして、ぶら....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
って来なかったけど、これをお通さんに持って来た」 と、丑之助は、手に提げていた
藁苞を上げて見せた。 「蕗の薹か」 「そんなもんじゃねえよ。生き物だ」 「生き物....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ぬ色の膝行袴をりりしくうがち、船底の板子を二、三枚はねのけた。 取りだしたのは
藁苞である、グイとしごいて、苞からむきだされたのは、蝋色鞘の滑らかな大小。 蜂....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
日にする所、十一日にする所などが他にはある。 普通に行われているのは餅を一種の
藁苞に入れて、屋敷まわりの一定の樹の枝に引掛けて置き、それから大きな声で烏を喚ぶ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
固めたものであった。岩手県では一般にこれをシットギと謂い、風の神送りの日に作って
藁苞に入れて供え、または山の神祭の際に、田の畔に立てる駒形の札に塗りつけた。青森....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
は縁のある行事だったらしいのである。信州では辻の道祖神の祭をこの日行う例も多い。
藁苞の馬に
藁苞の餅を背負わせて、道祖神の前まで牽いて行って置いて来る。それを子供....