藁葺き[語句情報] » 藁葺き

「藁葺き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藁葺きの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、金造の家はすぐに知れた。むさし屋の女の云った通り、近所に遠い畑のなかに二軒の藁葺き屋根が隣り合っていて、外には型ばかりの低い垣根が結いまわしてあった。軒は朽....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
十一年十二月 所 讃岐国香川郡弦打村 第一幕 甚兵衛の家。藁葺きの、大なれども汚き百姓家。左に土間、土間につづいて台所の右は八畳の居間、畳....
修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
第一場 伊豆の国|狩野の庄、修禅寺村(今の修善寺)桂川のほとり、夜叉王の住家。藁葺きの古びたる二重家体。破れたる壁に舞楽の面などをかけ、正面に紺暖簾の出入口あ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
水郷のおもかげ……。 鳴きかわす鶏《とり》の声で、夜が明けてみると、あちこちに藁葺きの家が三軒、四軒。 渡しの船頭や、川魚をとる漁師の住いだ。 その一つ―....
道標」より 著者:宮本百合子
ポプラ並木がつづいている。ところどころに散らばって在る農家は、灰色の外壁に厚い麦藁葺き屋根をもっていて、家畜小屋や荷車のおかれている内庭には、低い灰色の土の墻《....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
を越すと、陽にたぎっている水田の展望だ。玉突台のような緑野の緩斜面だ。そこここに藁葺きの小屋がある。花壇のなかに微笑して建っている。マグノリアのにおいがする。村....
置土産」より 著者:国木田独歩
数五百に足らぬ一筋町の東の外れに石橋あり、それを渡れば商家でもなく百姓家でもない藁葺き屋根の左右|両側に建ち並ぶこと一丁ばかり、そこに八幡宮ありて、その鳥居の前....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
った。足は谷中へ向いていた。この時代の谷中辺はただ一面の田畑であった。飛び飛びに藁葺きの百姓家があった。ぼんやり春の月が出た。と一軒の屋敷があった。大名方の控え....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
下を、足音を忍ばせて歩いて行った。廊下が左へ曲がった外れに、離座敷が立っていた。藁葺き屋根の、部屋数三間ほどの、古びた建物で、静けさを好む客などのために建てたも....
」より 著者:岡本綺堂
相模国、石橋山の古戦場に近き杉山の一部。うしろに小高き山を負いて、その裾の低地に藁葺きの炭焼小屋。家内は土間にて、まん中に炉を切り、切株又は石などの腰かけ三脚ほ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
て、洋館が聳えているのです。私は狐につままれたような気持で、突っ立っていました。藁葺き屋根の農家でも、あろうことか! この山の中に……近い村まで三里もあるという....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
、そういうのは全国いっぱんということができないであろう。これに対して藁屋すなわち藁葺きの家というのは、今やすでにどの府県に行っても、見られぬところはないというま....