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「藍玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藍玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
る。 槍ヶ岳が一穂の尖先を天に向けて立っている、白山が殆んど全容をあらわして、藍玉のように空間に繋がっている、私は単なる詠嘆が、人生に何するものぞと思っている....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》には聞いたが、姿を拝んだのは今日が初めてだ、なるほど」 「惜しいものだね――」藍玉屋《あいだまや》の息子で金蔵という不良少年は、締りのない口元から、惜しいもの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
調子の返事がある、面を出したのはまさに猟師に違いない。ずっと前に、はじめて三輪の藍玉屋《あいだまや》の不良息子の金蔵に鉄砲を教えた惣太《そうた》でありました。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た罪を作り出しているには相違ない。 さればこそ、三輪の里には業風が吹きそめて、藍玉屋《あいだまや》の金蔵はそれがために生命《いのち》をかけた。そこまでは、この....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
像があるのみです。 その時に現われた狂人の面影《おもかげ》は、大和の国の三輪の藍玉屋《あいだまや》の倅《せがれ》の金蔵というもののそれにそっくりです。その倅は....
丹下左膳」より 著者:林不忘
、ちょいとした兄哥《あにい》振りなんです。 見ると、どっかへ出かける気らしく、藍玉《あいだま》の手ぬぐいを泥棒かむりにして、手に、大事そうに抱えているのは、こ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
てて舳をまわす。 鰹船の禁物《きんもつ》は第一は遠島船。第二が讃岐《さぬき》の藍玉船《あいだまぶね》。遠島船にあうと鰹の群来《くき》が沖へ流れるといって、たい....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
し合い、川の岸には山と積上げられた灘の酒、堺の酢、岸和田の新綿、米、糖《ぬか》、藍玉《あいだま》、灘目素麺《なだめそうめん》、阿波蝋燭、干鰯。問屋の帳場が揚荷の....
志士と経済」より 著者:服部之総
ことで、それまでに白石の方では、すでに薩長貿易は緒についていたから、(薩摩からは藍玉煙草類を、長州からは米、大豆、綿、昆布類を輸出した)国臣自らまず白石を訪い、....
新撰組」より 著者:服部之総
も代表するものが発生して、幕末の政治史経済史を多彩にいろどっている。農村富農から藍玉《あいだま》仲買業や酒屋や山林業者やが派生して、必然的な道筋に添うて初期資本....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
からによります。需用は莫大なものであったでありましょう。盛に藍草を植えて、それを藍玉に作ったのは徳島市から程遠くない村々で、今も訪ねますと、それは見事な蔵造の仕....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
体のいたる所を小柄で破った。 * * * 煙草船や藍玉船が、白い帆を張って、ゆるゆると吉野川を辷ってゆく。 その底には、もう若鮎....