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「藍紫色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藍紫色の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
光と風と夢」より 著者:中島敦
ている。背後の空は、既に迫る夜のために豊かにされ又暗くされた青一色。その底に動く藍紫色の・なまめかしいばかりに深々とした艶と翳《かげ》。丘は、はや日没の影を漂わ....
魔像」より 著者:蘭郁二郎
腐液が、じくじくと滲みだし、表皮がべろっと剥げると、そこには盛上った蛆虫が……。藍紫色に腐った臓器や肉塊が、骨からずるりと滑って、硝子箱の底にどろどろと澱んだ腐....
旅愁」より 著者:横光利一
て来た。蜜蜂の群れが山路の両側で唸りをたてて飛び廻っていた。ドイツの国境の山山は藍紫色の断崖となって立ち連り、中腹を断ち切った白雲の棚曳く糸が、その下の渓谷の鋭....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
十四日 夏の終りの荒っぽい天候になりました、北側の山々(安積山の山並)が、深い藍紫色に浮上って見えるようになりました。盛夏の間こちら側の北はぼんやりしているの....
環礁」より 著者:中島敦
な濃藍の水が、拡がり、膨らみ、盛上って来る。内に光を孕《はら》んだ豊麗極まりない藍紫色の大円盤が、船の白塗の欄干《てすり》の上になり下になりして、とてつもなく大....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
閉じるとその形が筆《ふで》の頴《ほ》の形をしていて捩《ねじ》れたたんでいる。色は藍紫色《らんししょく》で外は往々|褐紫色《かっししょく》を呈《てい》しているが、....