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藕
「藕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藕の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
う》し奉ったときのことだ。 そのころ、悟空は自分の力の限界を知らなかった。彼が
藕糸歩雲《ぐうしほうん》の履《くつ》を穿《は》き鎖子《さし》黄金の甲《よろい》を....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
なかるべし。他なし、渠はおのが眼《まなこ》の観察の一度達したるところには、たとい
藕糸《ぐうし》の孔中といえども一点の懸念をだに遺《のこ》しおかざるを信ずるによれ....
「一夜」より 著者:夏目漱石
帝釈天《たいしゃくてん》と戦って敗れたときは、八万四千の眷属《けんぞく》を領して
藕糸孔中《ぐうしこうちゅう》に入《い》って蔵《かく》れたとある。維摩《ゆいま》が....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
と首を振ッて見たが、それでも未《ま》だ散りそうにもしない。この「ガ」奴《め》が、
藕糸孔中《ぐうしこうちゅう》蚊睫《ぶんしょう》の間にも這入《はい》りそうなこの眇....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
まみ》のある声だ。力を入れると、凛《りん》と響く。脱《ぬ》くと、スウと細く、果は
藕《はす》の糸のようになって、此世を離れて暗い無限へ消えて行きそうになる時の儚《....
「死者の書」より 著者:折口信夫
若人等は、この頃、氏々の御館ですることだと言って、苑の池の蓮の茎を切って来ては、
藕糸を引く工夫に、一心になって居た。横佩家の池の面を埋めるほど、珠を捲いたり、解....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
生命は滞るところなく流動する。創造の華が枯木にも咲くのである。藤原南家の郎女が
藕糸を績いで織った曼陀羅から光明が泉のように涌きあがると見られる暁が来る。 釈....
「山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
して、尻きれとんぼうになった。その時の構図は、凡けろりと忘れたようなあり様だが、
藕糸曼陀羅には、結びつけようとはしては居なかったのではないかと思う。 その後もど....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
予測することの出来ない限り、愛惜《あいせき》の情《じょう》は自ら人をしてこの堀に
藕花《ぐうか》の馥郁《ふくいく》とした昔を思わしめる。 私は四谷見附《よつやみ....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
いは王卒と十二|薬叉とをひきいて)現われる。二人は大桃を、二人は大柘榴を、二人は
藕実を、二人は大※扇等を持つものがある。天王薬叉も天女も皆彫刻や画にある通りの扮....