藤八[語句情報] » 藤八

「藤八〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藤八の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
んじゃく》する様子も見えなかった。私は無論平気であった。仮色《こわいろ》と同時に藤八拳《とうはちけん》も始まった。しかしこの方《ほう》は相手が要《い》るので、そ....
道草」より 著者:夏目漱石
遊び廻る男であった。 「それよか、善光寺《ぜんこうじ》の境内《けいだい》に元祖|藤八拳《とうはちけん》指南所という看板が懸っていたには驚ろいたね、長さん」 「這....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
にすると忽ち栗毛の馬に乗った。城内から出た時は小姓の岩室長門守、長谷川橋介、佐脇藤八、山口飛騨守、賀藤弥三郎の五騎に過ぎない。そのまま大手口に差しかかると、黒々....
賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
山には堀久太郎秀政(兵五千)、大岩山には中川瀬兵衛清秀(兵一千)、神明山には大鐘藤八(兵五百)、堂木山には山路将監(兵五百)、北国街道には小川土佐守(兵一千)、....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
の小原縫殿助《おばらぬいのすけ》を誅《ちゅう》し、同じく誅されそこなった傅の粟野藤八郎は逃げ、目上の人即ち政宗の母は其実家たる最上義光の山形へ出奔《いではし》っ....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
す。このオムニバスは紀州の由良という、後に陛下の馭者になった人と私の親戚に当る伊藤八兵衛という二人が始めたもので、雷門に千里軒というのがあって此処がいわば車庫で....
南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
らぬっと出た。 「こいつ出すぎた女め、そのままにはさしおかぬぞ」 傍へ来ていた藤八五文の薬売の直助が中に入った。 「まあ、まあ、どうしたものだ、そんな愛嬌のな....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
光が枝葉の間を通して、お葉の体へ光の飛白や、光の縞を織っている。そのお葉は背中に藤八と名付ける、可愛らしい小猿の眠ったのを背負い、顔を上向けて土塀の上を、思案し....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
といえばその頃の山の手切っての名代の質商伊勢屋長兵衛方へ奉公した。この兄が後に伊藤八兵衛となり、弟が椿岳となったので、川越の実家は二番目の子が相続して今でもなお....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
が間もなく、それに代る木野田清太郎老という七十余歳と、ねんねこで孫を負んぶした佐藤八三さんという二人の古老が現われ、じゅんじゅんと、金売り吉次の由来因縁を説明し....
黒田如水」より 著者:吉川英治
えている。どこか見覚えのあるような気もした。 「わしじゃよ。伊丹兵庫頭の家来、加藤八弥太じゃよ」 「おお。旦那様でしたか、これはどうも」 「だいぶ遅い帰りではな....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
全くもって、山高帽の、モウニングの、また麦稈の背広の、眼鏡の、ホワイトシャツの、藤八拳の、安来節の、わいわい騒ぎの眼と鼻と口との連中が、不意にその前途を塞がれた....