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藤枝
「藤枝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藤枝の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
乾してあったり、茶師の赤銅色の裸体が燻《くす》んだ色の町に目立っていた。私たちは
藤枝の宿で、熊谷蓮生坊が念仏を抵当に入れたというその相手の長者の邸跡が今は水田に....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
この母子《おやこ》がお屋敷というのは、麹町《こうじまち》番町《ばんちょう》の
藤枝外記《ふじえだげき》の屋敷であった。
藤枝の家は五百石の旗本で、先代の外記は御....
「佐橋甚五郎」より 著者:森鴎外
きもの》として贈《おく》った。 本多の指図で、使の一行はその日のうちに立って、
藤枝《ふじえだ》まで上った。京都紫野に着いたのが五月二十九日、大阪へ出たのが六月....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
鹿め、気をつけろい」
と云つてやろうと思つてふとその人をよく見ると、知り合いの
藤枝真太郎という男である。
「おや、
藤枝か。どうしたい」
「うん君だつたのか。…....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
月の襟元を思い浮かめ、三保の松原に天女を抱き止めた伯竜の昔を羨み、駿府から岡部、
藤枝を背後に、大井川の渡し賃に無けなしの懐中をはたいて、山道づたいの東海道。菊川....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
と見廻せど僅かに九歳の冬|此処を過ぎしなればあたりの景色さらに見覚えなく、島田|
藤枝など云う名のみ耳に残れるくらいなれば覚束なし。金谷の隧道長くて灯を点したる、....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
ましたが二度共劇団に関するお話を主人となさった様です。後の二人は女優さんで、中野
藤枝さんに堀江時子さんと申されるモダーンな美しい方達ですが、劇団がまだ職業的なも....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
三幕の箕輪の農家で、お時が門口で迎い火を焚いていると、その煙のなかに白帷子を着た
藤枝外記の姿があらわれるのは、二十余年前に自分が観た中村座の舞台の姿をそのままに....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
)、快晴。ただし風寒きこと前日のごとし。午後一時、神戸に入港す。大阪毎日新聞記者
藤枝範氏来訪あり。楠公社内に県下の共進会ありというを聞きたれども、上陸せず。 ....
「女賊記」より 著者:田中貢太郎
叫び声がいたしましたから、庭に出たところでございます」 女の悲鳴がまた聞えた。
藤枝と云う鰥暮の侍は己の家へ帰って来た。彼は四五箇処ばかり怪しい悲鳴を追っかけた....