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藤波の
「藤波の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藤波のの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源氏物語」より 著者:紫式部
るかざしは紫の雲に劣らぬ花のけしきか 世の常の色とも見えず雲井まで立ちのぼりける
藤波の花 あとのは腹をたてていた大納言の歌らしく思われる。どの歌にも筆者の聞き....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ところがあっていい。この歌の長歌は、「敷島の大和の国に、人さはに満ちてあれども、
藤波の思ひ纏はり、若草の思ひつきにし、君が目に恋ひやあかさむ、長きこの夜を」(三....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
てもいいほどのきれものだが、驕慢で気むずかしくて、ちょっと手におえない男である。
藤波の不機嫌と言ったら有名なもので、番所では、ひとりとしてピリつかぬものはない。....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
を切って、千太につぎながら、 「乳房が馬鹿でかすぎらア」 千太は、えッといって
藤波の顔を見ていたが、急に、へらへらと笑い出して、 「こりゃア、どうも。……旦那....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
う時刻に凧をあげるのはおかしい。……ところで、芳太郎の父親の左内はお金蔵方。……
藤波の推察じゃ、これから間もなく金座から御用金が出るということを、子供のからす凧....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ゃねえんで……。青……青……、名前は忘れましたが、なんとかいう浪人者が、南番所の
藤波の手でつかまって、これがその、だいたい、そいつだろうということにきまりかけて....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、驕慢な眼つきで甲斐守の顔を見かえした。 甲斐守は、寛容な面もちで、人もなげな
藤波の話をききすましていたが、この時、言いようのない温和な笑顔をうかべて、 「上....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
うへ寄って行き、似顔絵とてらしあわせながら、ためつすがめつまた首実験をはじめる。
藤波のほうも、高見になったところに棒立ちになって、これも油断なく、非人の子のそぶ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ばってき》された秀才。まだ、三十そこそこの若さである。蒼白い端正な面《おもて》を
藤波のほうにふりむけると、 「言うまでもないことだが、古くは絵島生島《えしまいく....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
手をやり、 「ところで、藤波友衛のほうが、おれより五日ばかり早かった。……ただ、
藤波のやつは絵すがたの絵ときが出来ずに、いきなり弥太堀の大黒堂だと思いこんでしま....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。 顎十郎は酔眼|朦朧《もうろう》。春霞のかかったような、とろんとした眼つきで
藤波の顔を見あげながら、素頓狂《すっとんきょう》な声、 「いよウ、藤波さん、これ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ら、……それはまア、大したことはないが、そういうのっぴきならない情況で、おまけに
藤波の掛りというのであれば、否でも応でも加代姫は突きおとされる。……気の毒なもん....