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「藤葛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藤葛の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
う偉い方がおられるから、その方に頼むがいい」 土地の者は魏法師の言葉に従うて、藤葛を攀じ、渓を越えて四明山へ行った。四明山の頂上の松の下に小さな草庵があって、....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
るがよかろうと思う」 そこで、大勢は誘いあわせて四明山へ登ることになりました。藤葛を攀じ、渓を越えて、ようやく絶頂まで辿りつくと、果たしてそこに一つの草庵があ....
忘恩」より 著者:田中貢太郎
がる、さがる、さがって来た) 綱のようなものはもう五六尺もさがって来た。それは藤葛のような大きな葛であった。葛はもう一丈以上も下へさがって来た。 (それでは、....
岩魚の怪」より 著者:田中貢太郎
があると云われているもので、頭から尻尾までが五尺ばかりもあった。人びとはその鰓へ藤葛をとおして二人がかりで担って来た。 その夜一行はその大岩魚を肴にして、その....
仙術修業」より 著者:田中貢太郎
そろと岩の角を這いおりて水際に近づこうとした。前岸の巨木からさがった鉄鎖のような藤葛が流れの上に垂れて、その端が水の勢で下流に靡き、また放ね返って下流に靡いてい....
牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
云う偉い方がおられるから、その方に頼むがいい」 土地の者は魏法師の詞に従って、藤葛を攀じ渓を越えて四明山へ往った。四明山の頂上の松の下に小さな草庵があって、一....
三国志」より 著者:吉川英治
であろうか」 彼はふと一峰の中腹に、人工の色ある廂屋を見たので、徒歩絶壁を攀じ藤葛にすがって登って行った。 岩盤をくりぬいた窟がある。それを廟として一人の将....
山の人生」より 著者:柳田国男
越前などでは河原に風呂敷油紙の小屋を掛けてしばらく住み、断りをいってその辺の竹や藤葛を伐ってわずかの工作をした。河川改修が河原を整理してしまってからは、金を払っ....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
まるで無く、筑紫綿とも言わるる絹の真綿は、常人の家では企て望み難いものであった。藤葛または「いぬからむし」などのほかに、なお衣服の原料であったかと思われるのは楮....