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藩侯
「藩侯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藩侯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
す》が違ってしまいましたが、その頃町には小学校がちょうど二つございまして、一つは
藩侯の御建てになったもの、一つは町方《まちかた》の建てたものと、こう分れて居った....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
は祖先が四百年来この社を奉祀し来たり、かつ徳川吉宗公以降幕府より毎々修補あり、旧
藩侯よりも社家十人までも置かれたる大社にて、只今の社殿、廻廊等、善|尽《つく》せ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
照)。第一は東洋民族の新しい道徳の創造であります。ちょうど、われわれが明治維新で
藩侯に対する忠誠から天皇に対する忠誠に立ち返った如く、東亜連盟を結成するためには....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ならない。 ――少し当惑しているとき思いの外力になったのは叔母である。娘のとき
藩侯夫人の女秘書のようなことをして、
藩侯夫妻が欧洲の公使に赴任するとき伴われ、そ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
|太守は更に二十余章の舟唄を作らせた。そのうちには自作もあると云う。爾来、代々の
藩侯も同じ雛型に因って同じ船を作らせ、同じ海に浮かんで同じ舟唄を歌わせた。 わ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
はない。それとは反対に無事江戸参覲を果して、久方ぶりでのお国詰を急いでいるらしい
藩侯に違いないが、折も折に願うてもない道中行列が近づいて来たのはお誂え向きです。....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
の逍遥した昔の幻を、寂しく描いて、都を出た日、遠く来た旅を思わせる。 すべて旧
藩侯の庭園だ、と言うにつけても、贈主なる貴公子の面影さえ浮ぶ、伯爵の鸚鵡を何とし....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ったから、松平隠岐守家来何の某と書いて置いて来た。』との答に、いよいよ騒ぎ立ち、
藩侯にもどのような禍がふりかかろうも知れぬと、それからいろいろ評議をして、結局、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、そよ風に乗ってくる梅の香。
どこかに、笹啼《ささな》きのうぐいすが聞こえる。
藩侯柳生対馬守は、まだお国もと柳生の庄にいる。江戸のほうを一手にきりもりしている....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
りの中間体の若い男が風呂敷づつみを抱えて、下谷御徒町辺を通りかかった。そこには某
藩侯の辻番所がある。これも単に某
藩侯とのみ記してあるが、下谷御徒町というからは、....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
三百両の金を寺から借りていることを思って、徐ろに微笑を禁じ得なかったのであった。
藩侯の借金 さらに、次へ繙いて行くと、三千両が庄内藩主酒井左衛門尉。百五十両が....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
と思った。 中に髯のある立派な紳士が、一公職の名のりを上げた。 「この中には、
藩侯御一門の御老体も見えておられる。私も、武士の血を引いておりますぞ。さ、おいで....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
準を合わせた処を、夢中で覗く事を忘れない。それにこの器は、新式精鋭のものでない。
藩侯の宝物蔵にあったという、由緒づきの大な遠目金を台つきで廻転させるのであるから....
「それから」より 著者:夏目漱石
その昔し藩の財政が疲弊して、始末が付かなくなった時、整理の任に当った長井は、
藩侯に縁故のある町人を二三人呼び集めて、刀を脱いでその前に頭を下げて、彼等に一時....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
名にしたのは、感和亭鬼武が最初であるらしい。鬼武は本名を前野曼助といい、以前は某
藩侯の家来であったが、後に仕を辞して飯田町に住み、更に浅草の姥ヶ池のほとりに住ん....