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「藩士〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藩士の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
るので、江戸の侍は村正を不祥《ふしょう》の刀として忌むことになっているが、他国の藩士はさのみ頓着しないから、いい相手を見付ければ相当の高値に売れる。刀屋へ捨て売....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
」 「まさに、お説の通り!」 「ごもっとも千万」などと、さわがしい賛意の言葉が、藩士の口から洩れた。 恒太郎は、成田の怒声にも屈することなく、温かな平生通りの....
仇討三態」より 著者:菊池寛
べき韮は、まだ尽きてはいなかった。 それは安政四年も押し詰まった十二月十日、同藩士の久米幸太郎兄弟が、父の仇、滝沢休右衛門を討って、故郷へ晴がましい錦を飾った....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にを隠そう、われわれはその蛇神の女と同国の者でござる」 彼等もやはり西国の或る藩士で、蛇神のことはかねて知っていた。このごろ江戸じゅうをさわがす怪しい甘酒売り....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
。奈良県下の郡山はわけて昔から金魚飼育の盛んな土地で、それは小藩の関係から貧しい藩士の収入を補わせるため、藩士だけに金魚飼育の特権を与えて、保護|奨励したためで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あお聴きなさい」 半七に十手を突き付けられた武士は梶井源五郎といって、西国の某藩士であった。去年の春から江戸へ勤番に出て来て、麻布の屋敷内に住んでいたが、道楽....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
) 滝の白糸(水芸の太夫) 撫子(南京出刃打の娘) 高原七左衛門(旧藩士) おその、おりく(ともに近所の娘) 撫子。円髷、前垂がけ、床の間の花籠....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
一|人の老媼あるのみ、これその婢なり。 お通は清川|何某とて、五百石を領せし旧藩士の娘なるが、幼にして父を失い、去々年また母を失い、全く孤独の身とはなり果てつ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
あの雲、あの土の下に眠った事を、昔話のように聞いていた。 ――家は、もと川越の藩士である。御存じ……と申出るほどの事もあるまい。石州浜田六万四千石……船つきの....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の父は、この土地のものなんです。」 「ああ、成程。」 「――この藩のちょっとした藩士だったそうなんですが、道楽ものだったと思います。御維新の騒ぎに刀さしをやめた....
アラメダより」より 著者:沖野岩三郎
。果して桐村氏は五十になって歯科医の免状をとってハワイに帰った。 彼女は福知山藩士の佐幕党の娘で、京都では梅田雲浜氏の未亡人や故近衛公の生母から堅い教育を受け....
税所敦子孝養図」より 著者:上村松園
る。 はじめ、女史はその歌道を千種有功卿に学んだが、二十歳の年に縁あって薩摩の藩士、税所篤之氏に嫁いだのである。 しかし薄幸な女史は八年のちの二十八歳に夫に....
父の怪談」より 著者:岡本綺堂
も寝込んだということであった。 父はその翌晩も行ってみたいと思ったのであるが、藩士以外の者をたびたび入れることは困る、万一それが重役にでも知れたときには我々が....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の新作で、安政四年四月、猿若町の森田座で「天竺徳兵衛」を演じている最中に、熊本の藩士が見物席から舞台に飛びあがって、天竺徳兵衛に扮している市川市蔵を斬ろうとした....
かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
わしのかたき討などは実際めったになかったであろう。幕末になっては、幕臣は勿論、各藩士といえども、かたき討のために暇を願うということは許されなかった。わたしの父の....