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「藩庁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藩庁の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宝蔵の短刀」より 著者:田中貢太郎
益之助はこう云って大きな声で笑った。そして、飯が済むと平生《いつも》のように藩庁へ出て往って夕方になって帰って来た。 「なにも変ったことはなかったか」 家....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
年生の人だから、五十三歳を以て終ったのである。 弘前の城はこの年五月二十六日に藩庁となったので、知事津軽|承昭は三之内に遷った。 抽斎歿後の第十三年は明治四....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
我藩では一時|遁《のが》れの方便が、遂に本気の明答をせねばならぬ事になったので、藩庁でも内々騒ぎ出した。そしてそれが外間へも漏れたので、いよいよ紛議が甚しくなっ....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
兵衛は悩まされた釜礁が除れて、工事が思いの外に捗り、間もなく竣成したので、高知の藩庁に報告する必要から、急いで引きあげて往くところであった。其の時権兵衛が新港開....
」より 著者:田中貢太郎
が、漁師は二朱で好いと云って二朱執ってかえって往った。 此のことが何時となしに藩庁に聞えた。藩では二人を呼び出して漁師に青ざし五貫と米五俵とくれ、久兵衛には青....
「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
なお蝦夷と呼ばれ、アイノと差別された部落が各地に取り遺され、その津軽領内において藩庁より最後の差別撤廃を命ぜられたのは、実に近く文化三年の事であった。そして北海....
」より 著者:吉川英治
かし、与右衛門は断乎として、その年から治水工事に着手した。 同時に、あらかじめ藩庁の許可をうけてある令をもって、津軽平野を囲む一帯の村落百十余ヵ村へ対して、人....
濞かみ浪人」より 著者:吉川英治
さしもの頑固な一閑も、すっかり我を折ってしまい、先頃、和解と結納が一緒に済んで、藩庁へも、婚儀の届出がもう差し出されているというのである。 『――数右衛門、これ....