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藩論
「藩論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
藩論の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
入に混乱し、人心恟々として、毎日のように城中で評定が行われた。 帰順か抵抗か、
藩論は容易に決せられなかった。 今日も城中の大広間で、重臣たちが集って会議が行....
「乱世」より 著者:菊池寛
。二人は、彼ら自身恭順論者でありながら、必死に下士たちを宥めて、籤に当って決った
藩論に従わしめようと焦った。が、下士たちはその主張を固守して、一歩も退かなかった....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
長藩|世子(定広)の内命を受けて、京都の形勢の激変したことを藩主に報じ、かねての
藩論なる公武合体、航海遠略の到底実行せらるべくもないことを進言するためであった。....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
城の内にも見いだしたとしたら。 水戸ほど苦しい抗争を続けた藩もない。それは実に
藩論分裂の形であらわれて来た。もとより、一般の人心は動揺し、新しい世紀もようやく....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ようになって、それらの家中衆はいずれもにわかに強い衝動を受けた。その衝動は非常な
藩論の分裂をよび起こした。これまで賊徒に従う譜代臣下の者たりとも、悔悟|憤発して....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
でしむるを有利とするからである。由来弘前藩には悪習慣がある。それは事あるごとに、
藩論が在府党と在国党とに岐れて、荏苒決せざることである。甚だしきに至っては、在府....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
た調子で、最初から一方にきめておけば、どちらかの人物の半分だけは救われたろうに、
藩論が変るごとに行き戻りに引っかかってバタバタと死んで行ったのだからたまらない。....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
彬公を調伏せんにしても、所詮は、久光殿を、お世継にしようとする大方の肚であろう。
藩論より考えると、これが大勢じゃ。然し、よし、これが大勢にしても、寛之助様を、お....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
田氏以下諸先輩の至嘱を忘れたのか? まった、こうして三人、京表から先生及び拙藩の
藩論を一身に帯してハルバル下って来た使命をここで打捨てられるつもりか?……どうだ....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
田氏以下諸先輩の至嘱を忘れたのか? まった、こうして三人、京表から先生及び拙藩の
藩論を一身に帯してハルバル下ってきた使命をここで打捨てられる積りか? ……どうだ....
「加波山」より 著者:服部之総
く一命を保ち、戊辰《ぼしん》内乱(二十歳)に当っては民兵を組織して三春《みはる》
藩論を「帰順」に導き、暗転して維新となるや、若松県ついで三春藩の微官(準捕亡・捕....
「志士と経済」より 著者:服部之総
リセランド窮理書』を資金五両に替えて不如意を嘆じた玄瑞などもやがて脱藩の要もなく
藩論を握り、祇園《ぎおん》町に美声と智謀を謳われる身分となるのは、一面前出宍戸九....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
った。京都に奏上して「政道奏聞に不及《およばざ》」る祖法を覆えしたこと、同じく各
藩論を従前通り無視する代りに在府諸侯に開鎖意見を徴したこと、そして何よりもそれに....
「三国志」より 著者:吉川英治
んな内輪もめがあったのも、過日来、玄徳同情者の裏切りや脱走が続いて以来その後も、
藩論|区々にわかれ、武官文官の抗争があり、それに閨閥や党派の対立もからまって、荊....