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「藪原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藪原の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
暮すのが上分別さ」と、市九郎の心に、明け暮れ悪の拍車を加えた。が、信州から木曾の藪原《やぶはら》の宿まで来た時には、二人の路用の金は、百も残っていなかった。二人....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
出た話なんですから、私たちも酔ってはいるし、それがあとの贄川だか、峠を越した先の藪原、福島、上松のあたりだか、よくは訊かなかったけれども、その芸妓が、客と一所に....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
馬籠、妻籠、三留野、野尻を下四宿といい、須原、上松、福島を中三宿といい、宮の越、藪原、奈良井、贄川を上四宿という。半蔵らの進んで行った道はその下四宿から奥筋への....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ぎで自分でもしたくして、木曾福島の旅籠屋までそのあとを追いかけた。 とうとう、藪原の先まで追って行った。五日過ぎには彼は友人の後ろ姿を見送って置いて、藪原から....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
上で評議にも及ぶであろう、それまではまずまず預かり置く、そんな話で、王滝、贄川、藪原の三か村から出た総代と共に、半蔵は福島出張所から引き取って来た。もし土屋総蔵....
丹下左膳」より 著者:林不忘
下左膳。 枕もとに咲きみだれる秋の七草を、野分が吹いて通る。 と、突然、その藪原から二、三間はなれた街道に、来かかった旅人の跫音《あしおと》が、乱れ立って、....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
、洗馬という宿へ出ました。洗馬から本山へ出、本山から新川奈良井へ出て、奈良井から藪原へ参りまするには、此の間に鳥居峠がございます。其の日は洗馬に泊りまして、翌朝....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
洗馬から本山《もとやま》まで三十町 本山から贄川《にえかわ》まで二里 贄川から藪原《やぶはら》まで一里十三町 藪原から宮《みや》ノ越《こし》まで一里三十町 宮....
稚子法師」より 著者:国枝史郎
「夜は早く戸閉りをして、松太郎を外へ出さぬようにせよ」或日主水は斯う云い置いて藪原の宿まで用達しに行った。用を果たし路を急いで、家近く帰って来た時には、もう丑....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
小川へ出た。冷たそうな水が、ゆるく流れているのだ。向こう側は、いっそうたけの高い藪原になって、驚くほど大きな蠅《はえ》が飛んでいた。その羽音が耳に聞こえる全部で....
双面獣」より 著者:牧逸馬
垣根が結び廻してあって、グリイスンとマッカアセイは、六つの垣を乗り越えて、耕地や藪原を幾つとなく過ぎて断続している足跡を尾けて行くと、遂に立樹に囲まれた小川の堤....
木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
登るので、この嶺は木曾川と犀川との分水嶺になっている。 嶺を越えるとその中腹に藪原の宿がある。あらら木細工、花漬などを売る家が軒を並べている。「木曾の椽うき世....
自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
る、あの鳥居峠の南北両側において、北には平沢という漆器の製造部落があり、南側には藪原という昔から有名な、今日もこの会場の入口に陳列されておったようでありますあの....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
福井県と決まっている由であります。時々手仕事は不思議な因縁を持ちます。 木曾の藪原や奈良井は櫛の産地として名が聞えます。「於六櫛」といい、もとは吾妻村が本場だ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
後から見えて来なければならないはずの、お通と城太郎へいった呟きである。 今夜は藪原で泊るといってあるのに、宮腰の宿場もまだ遥かてまえなのに、すでに陽は暮れかけ....