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「藪垣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藪垣の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ふ》けましたから人の往来はございません。路を拾い/\参りますと、此方《こっち》の藪垣《やぶがき》の側に一人人が立って居りまして、新吉が行《ゆ》き過《すぎ》ると、....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
あって、道には破朽ちた柵が結ってある。その空溝を隔てた、葎をそのまま斜違いに下る藪垣を、むこう裏から這って、茂って、またたとえば、瑪瑙で刻んだ、ささ蟹のようなス....
狂乱」より 著者:近松秋江
とり肌に汗をかきながら道を急いで、寂れた街道を通りぬけて、茶圃の間を横切ったり、藪垣の脇を通ったりして、遠くから見えていた、山裾の小山の部落まで来て、そこから中....
」より 著者:林芙美子
したが、より江がまばたきしている間《ま》に、どこかへ隠れてしまったのか煙のように藪垣《やぶがき》の方へ消えて行ってしまいました。 乗合自動車が地響をたてて上が....
葛飾土産」より 著者:永井荷風
をよろこび見るのみならず、時を定めず杖をひくことにしている。桃や梨を栽培した畠の藪垣、羊の草をはんでいる道のほとり。いずこもわたくしの腰を休めて、時には書を読む....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
を引き繞らし、一|間ばかりの細い板橋が架してある。家の周囲は竹藪に包まれて、其の藪垣の間から栗の大木が七八本|聳えていた。トムは橋の中央に走り出でて、凄じい唸声....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
らねているが、阪を下ると茅葺《かやぶき》屋根の農家が四、五軒、いずれも同じような藪垣を結《ゆ》いめぐらしている間に、場所柄からこれは植木屋かとも思われて、摺鉢《....
私本太平記」より 著者:吉川英治
な」 侍者のふたりの注意やら、別れのことばなどだった。 ほどなく。行宮の北の藪垣を躍りこえて、まだ暗い海の方へむかって、ひた走りに消え去った人影がある。吉致....