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「藪陰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藪陰の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
山里も朴、栃、すいかずらの花のころはすでに過ぎ去り、山百合にはやや早く、今は藪陰などに顔を見せる※草や谷いっぱいに香気をただよわす空木などの季節になって来て....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ず、更らに路を択ばず、ザブ/\泥水を渉って帰った。新宿から一里半も来た頃、真闇な藪陰で真黒な人影に行合うた。彼方はずうと寄って来て、顔をすりつける様にして彼を覗....
」より 著者:田中貢太郎
の慾のために無くしてしまった。何と云ってももう金は帰って来ない。 久兵衛は暗い藪陰の路を通って我が家へ帰って来た。 「……戻ったの、遅かったから心配しておった....
赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
わ!」と彦七はそれを聞くと、生気地なくベタベタと地へ坐った。 「エイ!」と右手の藪陰からその時に鋭い掛声が掛かった。 「うむう」と同時に呻き声がした。クルリ体を....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
。 「もうよかろう、さあ行くがいい」 頭目は笑いながらこう云った。その時、傍の藪陰から一人の老法師が現われた。 「これ少し待て! 何をするか!」 その法師は....
」より 著者:岡本かの子
、明日にも男狐を救い出しに出かけよう。その狐師の家はどこだね。 ――目黒不動裏の藪陰でございます。門に野犬の皮が干してあるのが、七蔵の家。 ――しかと承知した。....