藺笠[語句情報] » 藺笠

「藺笠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

藺笠の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
た武士が一人、鎧櫃《よろいびつ》を荷なった調度掛《ちょうどが》けを従えながら、綾藺笠《あやいがさ》に日をよけて、悠々《ゆうゆう》と通ったあとには、ただ、せわしな....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
細身の大小をさし、髪はたぶさに結い、前髪にはむらさきの布をかけ、更にその上へ青い藺笠《いがさ》を被って顔をつつみ、丁字屋の湯女《ゆな》たちにも羞恥《はにが》まし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れ》を着ていました。それに花やかな弓小手《ゆごて》、太刀を佩き短刀を差して頭に綾藺笠《あやいがさ》、腰には夏毛の行縢《むかばき》、背には逆顔《さかづら》の箙《え....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
といい、あるいは御霊といったというのは、志多羅神のはやった時に、あるいはこれを小藺笠神といい、あるいはこれを八面神などといったのと同様に、各自勝手な名称を呼んだ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
丞の来あわせるのを待ちぬいていたところ。 浅黄の手甲脚絆をつけ、新しい銀杏形の藺笠と杖まで、門口に出してある。 もし万が一にも露顕した時には、四国屋で世話を....
私本太平記」より 著者:吉川英治
声を消して、奈良街道を、西と東に別れ去ってしまったが、おなじ路傍に脚を休めていた藺笠、膝行袴の旅の主従も、また、 「はははは、何を慌ててぞ、あの両名は。……どれ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
相模、岡本三河坊などの随身は、馬をとばして追ッついてきた。 大塔ノ宮は、狩猟の藺笠、豹の皮のはばき、弓を手に。 「口ほどもないな。たれひとりおれのさきを駈けて....
私本太平記」より 著者:吉川英治
そとへ出て、駒繋ぎ桜を通りこしていた。一童子の背に巻を負わせ、先へ山杖ついてゆく藺笠姿は、守護の御領主とはたれにも見えそうもない。画中の一|道者か山人のようであ....