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「蘂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

蘂の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ひ》と申しまして余り沢山ないもので、高麗国の亀の皮だと申しますが、珍しいもので、《しべ》が立って此の様に性質の良いのは少ないもので、へえ、これはお提物には丁度....
牡丹」より 著者:宮本百合子
の午前十一時過ぎの太陽に暖められ頭痛がするほど強い芳香を四辺に放っている。幸雄はに顔を押し埋めつつその香を吸い込んだ。 ほほけ立った幸雄の黒い後頭部を見てい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
生じた名門に同姓婚の祖先あった者少なからず。植物などにも一花内の雌雄《しゆう》|《ずい》交わって専ら繁殖し行くもある。繁縷《はこべ》などこの伝で全盛を続けいる....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、広岡の継母は一重の木槿垣をもて隔てたり。朝霧淡くひとつひとつに露もちて、薄紫に青く、純白の、赤く、あわれに咲重なる木槿の花をば、継母は粥に交ぜて食するなり....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の花であった。形は貝母に似て、暗緑帯紫の色、一つは咲いて花弁が六つ、黄粉を包んだが六つ、莟が一つ。 数年の後、いずこにも籍を置かぬ一|艘の冒険船が、滝太郎を....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
うにさします朝晴の日の影に、あたりの小砂利は五色に見えます。これは、その簪の橘がに抱きました、真珠の威勢かにも申しますな。水は浅し、拾うのに仔細なかったでござ....
鏡花氏の文章」より 著者:中島敦
、逆に、そのもととなるべき感覚の尖鋭化への修練が積まれて行ったようである。 「雄の弓が新月のように青空へ矢を放った。」……「春景色」(川端康成) 「栗毛の馬の....
貞操問答」より 著者:菊池寛
和子の手がふれて、頭を上げると、それが美和子の乳房を打つような感じだった。 雌に抱かれた一|疋の虫のように、美沢は、深々と呼吸づきながら、 「痛っ!」 「そ....
雪の宿り」より 著者:神西清
のお指金でむざんにも家督を追われ、つむりを円められて、人もあろうにあの蔭凉軒の真西堂のもとに、お弟子に入られたのでございました。このお痛わしいお弟子入りについ....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
堕落らしい様子をしても、この青年は下品にも廃頽的にも見えない。この青年の美貌と、に透った寂寞感が、むしろ上品に青年の態度や雰囲気をひきしめているのかも知れない....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
牡丹を詠ずるもの一、二句に過ぎず。その句また 尾張より東武に下る時 牡丹|《しべ》深くわけ出《いづ》る蜂《はち》の名残《なごり》かな 芭蕉 桃隣新....
レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
をせい。(とまた窓の外を向き)ああ初夏の夕べほど気持ちのよいものはない。草花の雌には咽せかえる程の香りがあり、花弁にはルビーのような露が溜り、黄金虫は囁くよう....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
に、まだ痛ましいほど鮮かな色をした落花も交っている。一輪は俯伏し、二輪は黄色の雄を上に向けている。花公方ももう盛りを過ぎ、木の下に紫紅色の小さな花を散りこぼし....
落日の光景」より 著者:外村繁
にも椿の花は落ちている。俯伏せになって、既に褐色に変色しているのもある。黄色の雄《おしべ》をつけたまま、仰向けになっている、新しい落花もある。しかしこの椿の花....