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蘊奥
「蘊奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蘊奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ものは必ず無い物でない、世の中には理外に理のあるもので、それを研究するのが哲学の
蘊奥《うんおう》だとやら申されますそうでございます、そうして見ると離魂病と申し人....
「名人伝」より 著者:中島敦
もはや、伝うべきほどのことはことごとく伝えた。※《なんじ》がもしこれ以上この道の
蘊奥《うんのう》を極めたいと望むならば、ゆいて西の方《かた》大行《たいこう》の嶮....
「花吹雪」より 著者:太宰治
武術に於ける才能の貧困を云々するは早計にて、嘗つて誰か、ただ一日の修行にて武術の
蘊奥を極め得たる。思う念力、岩をもとおすためしも有之、あたかも、太原の一男子自ら....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
である。未発《みはつ》の真理を説いて一世の知識を誘導するものは学者である。学理の
蘊奥《うんのう》を講じて、天下の人材を養成するものは学者である。堂々たる正論、政....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
ばなかったアブノルマルな弊害に外ならないだろう。ブルジョア教育制度は初め、学問の
蘊奥や国家に枢要な知識や人材や良妻賢母等々のありと凡ゆる理想の下に、もっと「健全....
「「沈黙」の話」より 著者:豊島与志雄
、真偽とりまぜて述べ立てる。或は懇願し、或は威嚇し、或は訓戒し、とにかく、話術の
蘊奥をつくして説く。 その間、某君はただ黙然と坐っている。煙草を吹かすか窓外に....
「科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
るのはなかなか容易な事でなくなる。もし全般に通じようとすれば勢い浅薄に流れ、もし
蘊奥を極めんとすれば勢い全般の事は分らずにしまわなければならぬような有様である。....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
一 江川太郎左衛門、名は英竜、号は坦庵、字は九淵世々韮山の代官であって、高島秋帆の門に入り火術の
蘊奥を極わめた英傑、和漢洋の学に秀で、多くの門弟を取り立てたが、中に二人の弟子が....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
奇を谷めたらしい、築山、泉水、石橋、亭、そういうものは布置においてこそ、造庭術の
蘊奥を谷めて、在る所に厳として存在していたが、しかしいずれも壊れ損じ、いたましい....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
まで行くことが出来、時間を潰すには苦労しなかった。もっともそういう人間に限って、
蘊奥を極めるというようなことは、ほとんど出来難いものであるが、そういう事を苦にす....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
である。一切経の一冊読むにも一千頁は読まなくてはならぬ、自然に深入りして、仏教の
蘊奥とまではいかなくても大分詳しい所まで調べようというようなことになって来たので....
「文明教育論」より 著者:福沢諭吉
発起するものなりといえども、智恵は然らず。人学ばざれば智なし。面壁九年能く道徳の
蘊奥《うんおう》を究むべしといえども、たとえ面壁九万年に及ぶも蒸気の発明はとても....
「東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
く》し得る東洋人は同胞のみなのだ。西洋人は到底日本人ほど印度の霊妙、支那の技芸の
蘊奥《うんおう》を研《きわ》め得ぬから、結局東西の文化を悉く咀嚼し世界的完全なる....
「教育の最大目的」より 著者:新渡戸稲造
識のみが智識にあらず、常識以外に智識あり。殊に学問は常識以外の智識にして、学問の
蘊奥《うんおう》を極むれば、それだけ常識以外の常識を発達せしむ。これ学問上の智識....
「語呂の論理」より 著者:中谷宇吉郎
ら研究の自由だからと言っても、ちゃんと大学令に、国家に枢要《すうよう》なる研究の
蘊奥《うんのう》を極めとある以上、(本当はそんなことは書いてないが)国家に害ある....