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蘭医
「蘭医〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
蘭医の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「サフラン」より 著者:森鴎外
なった。大抵の物の名がそうである。植物の名もそうである。 父は所謂《いわゆる》
蘭医《らんい》である。オランダ語を教えて遣《や》ろうと云われるので、早くから少し....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
聞き逃す筈はありません。話しますよ。まあ、ゆっくりとお聴きください」 有名の和
蘭医師高野長英が姓名を変じて青山百人|町(現今の南町六丁目)にひそみ、捕吏にかこ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
今日がその帰途だと云う。 もとよりその女の児に取って、実家の祖父さんは、当時の
蘭医(昔取った杵づかですわ、と軽い口をその時交えて、)であるし、病院の院長は、義....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
中にはポルトガル人もあったが、主としてオランダ人であった。彼らオランダ人は長崎|
蘭医の大家として尊敬されたシイボルトのような人ばかりではなかったのだ。彼らがこの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ていて、当時における日本の自然と社会とを観察したオランダ人のあることを知る。この
蘭医は二か年ほど日本に滞在し、オランダ使節フウテンハイムの一行に随って長崎から江....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
僅に五十四日である。次いで同じ月の六日に、幕府は御医師即ち官医中有志のものは「阿
蘭医術兼学|致候とも不苦候」と令した。翌日また有馬|左兵衛佐道純家来|竹内玄同、....
「惜別」より 著者:太宰治
た。東洋当面の問題は、科学だと何度も繰りかえして言っていた。日本の飛躍も、一群の
蘭医に依って口火を切られたのだと言っていた。一日も早く西洋の科学を消化して列国に....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
た。 部屋の中がひとしきり寂然となる。 「ちょっとお耳を……」 と云いながら
蘭医北山が立ったので続いて弓之進も立ち上がった。二人は隣室へはいって行く。 「あ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
刀で腹を切るなら、おれはお手前物の毒薬を飲む――君も知ってるだろう、おれは長崎で
蘭医の修業をやりそこねた書生くずれなんだ、そこで、仏頂寺とああやって心中を遂げた....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
も二十四時間立てつづけに眠って、折角のゲイムを一日ミスしてしまった。察するところ
蘭医の薬草だったに相違ない。眼がさめたからいいようなものの、よっぽど訴訟を起そう....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
郎氏がお品の情人。……藤兵衛の売っていたこの薬? ……玄伯老にでも訊ねてみよう)
蘭医杉田玄伯の家へ、貝十郎がはいって行ったのは、初夜を過ごした頃であった。 ....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
? ……で俺は出かけたってものさ。染吉の朱盆を手に入れてみよう、そうしてそいつを
蘭医にでも頼んで、血が雑っているか雑っていないか、真ッ先に調べて貰うことにしよう....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ったかずえ》という若いおさむらいがこの春から寝泊りしております。父親というひとは
蘭医で、阿蘭陀の草木にくわしい人だそうで、新田というひとも離家で朝から晩まで本ば....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
奥に伺候したことさえあるので、いまだに相良玄鶯院と御典医名で呼ばれている名だたる
蘭医《らんい》、野に下ってもその学識風格はこわ面《もて》の浪士たちを顎《あご》の....
「天狗」より 著者:室生犀星
陰ったところで、蠅のうずまきの中に、死体となっているのを村人は見つけた。お城下の
蘭医派の菊坂長政は、それを一種の病毒不明の、併しながら何等かの犬畜に犯されたらし....