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「虎の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

虎の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
川中島合戦」より 著者:菊池寛
云ってもよいのである。 武田の家は、源義家の弟|新羅三郎義光の後で、第十六代信虎の子が信玄である。幼名勝千代、天文五年十六歳で将軍足利義晴より諱字を賜り、晴信....
少年探偵長」より 著者:海野十三
、半ペラは本物も贋物も、ふたつともオクタンの手に入ったのじゃ。貴様が手に入れて、虎の子のように後生大事にしていたのは、即ち、その昔ツクーワのつくった贋物で、しか....
猫の草紙」より 著者:楠山正雄
乗って、どんなひどいいたずらをするかわかりません。それとは違って、猫はもと天竺の虎の子孫でございますが、日本は、小さなやさしい国柄ですから、この国に住みつくとい....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
対的とも云ってよい理由があったのである。 保久呂湯の三吉は彼に次ぐ金持で、彼の虎の子を奪えば村一番の金持になるから、これがまたヌキサシならぬ動機の一ツである。....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
かしておけ」 亮作は金時の言葉にたのもしいものを読みとったので、包みをといて、虎の子をだした。二千余円残っている。 そろって、買物にでた。 金時はまず大八....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ヘ」 最後のワイセツな言葉と笑いは、長平にあびせかけたものである。 とうとう虎の子のありかを探しだした。銀行の通帳と一万円余の現金であった。彼女は行李の中の....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
な」 「嵯峨天皇弘仁年間山城の宇治に住んでいた僧だ。橘奈良丸の子とも云われ紀ノ名虎の子とも云われ素性ははっきり解らない」 「さては無頼者でござりますな」 「莫迦....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
りませんか」 指環は白金に相違なかった。それが白金であるがために、彼女はそれを虎の子のように、奥深く秘蔵していたものである。私は二つを比べてみた。銀三十枚と指....
」より 著者:岡本綺堂
というのは、それが三毛猫で、毛色が虎斑のように見える。それから思い付いて、いっそ虎の子という事にしたらどうだろうと発議すると、成程それがよかろう、猫よりも虎の方....
都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
けに、恋人つくってさ。だけど、考えてみると、私ゃ、中井に惚れてなかったわね」 「虎の子全部貢いでるんだから惚れてるにきまってらアな」 「ウソだよ。そんなことをし....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ぬ。破滅しても構わぬ。いや、破滅の方が却って拙尼には幸いじゃ。この悪性男。拙尼が虎の子の様にしている貯えの金三百両引出して、これが支度金で出世が出来ると備前の太....
かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
けるもやや古なれどどうも言われぬ取廻しに俊雄は成仏延引し父が奥殿深く秘めおいたる虎の子をぽつりぽつり背負って出て皆この真葛原下這いありくのら猫の児へ割歩を打ち大....
錦紗」より 著者:犬田卯
と念を押しておいた例のレーヨン錦紗のために、二週日以来傍目もふらずにかせぎためた虎の子だったのである。実際彼女はその五円のためには見栄も外聞もかまっていなかった....
俗臭」より 著者:織田作之助
のだ。冠婚葬祭を軽んずる様で人間出世は出来ぬという信念をもっている。と、同時に、虎の子の貯金全部投げ出して立派な結婚式をあげたが、その時は無一文だったという様な....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
した。 後れた人達を待ちながら、記載を済すつもりでポケットに手をやると、大事な虎の子の手帳がない、これには全くがっかりしてしまった。昼食の際に置き忘れて来たも....